あなたや身近な人が『うつ』になったら。

ストレスの非常に多い現代社会。

身内が、そしてあなた自身が『うつ』にならない保証などない。

当事者になる前に知っておこう!

 

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まずはうつの基本を知ろう。

そもそも「うつ」って何だろう?

誰にでも憂うつなときはあるし、仕事のミスなどをきっかけにヘコむこともある。

ただ多くの場合、その原因が解決したり楽しいことが起きたりすると、気分はパッと晴れるもの。

たっぷり寝れば治まるというケースも多いだろう。

だが気分転換しても、また時間が経っても憂うつな気分がちっとも晴れない、さらに突然の不安感や絶望感に苛まれたり、原因不明の体調不良が続くなどして日常生活に支障をきたすようになると「うつ」または「うつ病」と見なされる可能性が高くなる。

そうなると治療が必要になるわけだが、治療が必要なほどの「うつ」か否かという判断は簡単には下しにくい。

このわかりにくさこそが「うつ」の一番の特徴だ。

「うつ」はいくつもの要因によって発症し、その症状もさまざま。

実際のところ、専門家にとっても診断が難しい病気なのだ。

とはいえ、仮に家族や知人、同僚が「うつ」状態に陥ったとき、身近にいるあなたにもサポートできることはたくさんある。

「うつ」を必要以上に恐れる必要はないのである。

 

新型うつって?

うつはとてもわかりにくい。

近年になって急増している新型うつの存在もこの傾向に拍車をかけているのだ。

新型うつの特徴は、仕事や困難に直面すると抑うつ状態になるのに、休日や趣味の時間には抑うつ状態が消えること。

従来のうつ病の傾向に当てはまらないため、まだ治療法も確立されていない。

 

双極性障害とは?

双極性障害はうつ病と同じ気分障害のひとつ。

以前は躁うつ病と呼ばれていた病気である。

この特徴は、気分が落ち込む抑うつ状態と、逆に気分が高まってやたらと活発になる躁状態が交互に起こることで、躁状態のときに仕事をバリバリこなしていたと思ったら、急にひどく落ち込んで出社できなくなるといったケースも。

 

うつとはどういう状態か

うつには感情や気分、意欲などメンタル面のみに症状が表れるイメージがあるが、実際にはカラダにもさまざまな変化が起こる。

これはうつ病の身体症状と呼ばれており、代表的なものとしては睡眠障害がある。

これもなかなか寝付けない入眠障害、眠りが浅い熟眠障害、夜明け前に目が覚めてその後眠れない早朝覚醒、夜中に何度も目が覚める中途覚醒などに分類できる。

また睡眠障害と同様に多い症状が食欲不振。

これは何も食べる気がしない、食べても味を感じられないといった症状が長期間続き、いずれは体重減につながってしまう。

他には肩こりや関節痛、どの自律神経症状も。

症状も典型的なうつのサインなのだ。

 

うつの原因ーとは?

うつの原因はいまだに解明されていないが、確実に言えるのは原因はひとつではなく、さまざまな変化が絡み合って起こるという点である。

そのひとつに挙げられるのが感情の変化

これは無力感や絶望感、焦燥感や悲しみなどが顕著になる。

続けて起こるのは行動の変化

具体的には社交スキルの低下、社会的問題解決が困難になるといった状態だ。

すると、今度はカラダや生理の変化が起こる。

意欲や活動性の低下、思考障害、睡眠および食欲障害などが主な症状。

その次が認知の偏り、自尊心の低下、物事への興味の喪失といった思考、認知の変化

この4

つの悪循環を繰り返すのが特徴だ。

 

うつは治せるのか?

うつは病気なんでしょ? だったらいずれは治るはず。

うつは確かに病気の一種だが、骨折などのように完治はしないのが特徴だ。

うつは治療を始めてからも良くなったり悪くなったりを繰り返す。

順調に治療が進めば症状がほぼ消え(寛解)、人付き合いや日常生活が送れるようになると回復状態と認められる。

この段階で社会復帰を果たしていれば「治った」と訁える状態だ。

しかし、うつは再発率8割といわれるほどで、何かの拍子に症状が出る可能性が高い。

つまり、以前とまったく同じ状態に戻ることはかなり難しく、まずは自分らしく生活できる状態にまで回復することを目指すべきなのだ。

そしてさらに大事なのは、なるべく再発させないこと。

これらを念頭に置いて治療に挑もう。