冬至にカボチャを食べると無病息災といわれるワケは
昔からの言い伝えに、「冬至にカボチャを食べると無病息災」ということがある。
冬至の頃は寒きが到来するとともに風邪も流行し始めるときである。
風邪は万病の元といわれているように、風邪をこじらせると肺炎など命取りの病気になることも多い。
しかし、日頃ビタミンAを十分にとっていれば、風邪をひいてもかなり状況が違う。
ビタミンAは粘膜を保護する働きがあるから、カボチャのようにカロチンの多い野菜は、冬場のビタミンAの補給にはもってこいである。
カロチンは体内に入ってからビタミンAに変化するので、カロチンの形でとると、必要に応じて体内でビタミンAに変化してくれるから都合がよい。
また、カロチンはかなりの期間、体に貯蔵される。
ミカンを多量に食べると、手や顔が黄色くなることがあるが、これはカロチンがたまったためで、カボチャでも多量に食べると同じようなことが起こる。
カボチャにはビタミンEのアルファ型も多いので、その点もプラスである。
アメリカではハロウインにパンプキンパイというカボチャのパイをつくるが、これは健康を願うのと、収穫を喜ぶという意味があると思われる。
今では日本の都市近郊ではあまり見られなくなったが、以前は夏の暑い日差しの下で、カボチャがそこら中にゴロゴロなっているのが見られた。
それだけ強い野菜なのである。
現在スイカも多くはカボチャに接木してつくる。
強いカボチャにスイカをつげば、日照りの中でも強力に根から水分を吸い上げて、うまく育ってくれるというわけである。
カボチャのもっともポピュラーな食べ方は含め煮だろう。
しかし、最近は家族の構成人数が減ったせいで、少量しかつくらないため、あまりおいしくできないという人も、多い。
しかし、工夫すれば、少量でもふっくらとしたカポチャの煮物ができる。
それには、電子レンジを使うのがよい。
用意するものとして、陶器の鍋があればよいが、それがない場合は大きな鉢でもよい。
それに切ったカボチャと、調味しただし汁を入れる。
だし汁の量はカボチャが半分ほどひたるくらいである。
容器に陶器の皿か陶製のふた、または木のふたをして、二人分程度だと十分くらい電子レンジにかける。
スイッチが切れたあと、十分程度そのままにしておくと、全体に平均に味がしみ、ふっくらとしたカボチャの煮物ができ上がる。
この他、脂肪分の少ないカボチャのポタージュスープもおいしいものだ。
皮を取り、適当に切ったカボチャをコンソメスープで煮て、柔らかくなったら、ミキサーなどで汁とともに潰し、少量のパターか、妙めたベーコンを加える。
また、カボチャを使った菓子類も工夫しだいでいろいろできる。