50代からは「食べても太らない体」が必要
男50代たるもの、座る時間が長ければ長いほど、太りやすく、老けやすい。
そう心得るべきだ。
そもそも人の体は、座って仕事をするためにはできていない。
全身に筋肉がついているのも、まさに、農耕作業や魚を獲るといった、体を動かすためなのだ。
座ったまま動かないことは、体に不自然な負荷を与えているとも言える。
しかも、長時間、パソコンと向き合うなど、デスクワークが長く続くと、いざ眠ろうとしてもなかなか寝つかれなくなる。
脳の疲労と肉体の疲労がアンバランスになるのだ。
必然的に、深夜遅くなるまで起きていて、翌朝起きられないなど、生活リズムが乱れがちになる。
睡眠時間が短くなると、体脂肪の量を一定に保つ働きを持つ 「レプチン」というホルモンの分泌量が減少する。
また、夜中に食欲が出て、夜食を食べたくなる。これは、脳の視床下部に働きかけて食事を摂るように命令を出す「グレリン」というホルモンが生産されるからだ。
こうして、1日中座って仕事を続けていると、睡眠のリズムも乱れがちで、どんどん太りやすい体になってしまう。
50代は、ただでさえ運動不足になりがちだ。
油断すると、すぐにメタボリックシンドロームや糖尿病などになりやすくなってしまう。
なぜ、座ることがいけないのかは、自律神経のバランスから説明できる。
日中、エネルギー代謝を活性化する交感神経が優位となる。
そして夕方以降には心身をリラックスさせる副交感神経が優位になる。
ところがデスクワークを長時間続けていると、神経は緊張しているが運動しないため、血流の悪い状態が続く。
交感神経優位でも副交感神経優位でもない中途半端な状態が長く続くのだ。
こうなると、食べすぎたわけでもないのに太ってしまう。
自律神経のバランスを回復させるには、加齢とともに低下しがちな副交感神経を積極的に活性化することである。
そのためには、一日のなかでホッとするリラックス時間を設けることが大切だ。
心に余裕を持つのだ。たとえば、ストレッチやマッサージ、ヨガなどで自分を癒すツボを見つけること。
楽しいことをひとつでも見つけて実行することだ。