否定的な表現を多用しがちな人は、会話の雰囲気を後ろ向きのネガティブなものにさせやすい。
「でも」 「どうせ」「だって」は禁句だ。
こうした否定的な表現は、せっかく建設的に会話を進めようとしているのに、それを後戻りさせたり、ぶちこわしたりする。
ふつう「あいつとはウマがあわないなあ」と人から思われがちな人には、こういう否定的な言葉を平気で使うタイプが多い。
あまり使いたくない否定的表現に、「でも」「どうせ」「だって」がある。
「でも、私はそう思いません」
「どうせ、私は無能な人間ですよ」
「だって、先日、係長がそうおっしゃったではないですか」
これらの否定的表現は、聞いていて耳障りなだけでなく、言った人の価値評価を下げずにはおかない。
というのは、こうした言葉は、何かで失敗したり、ミスをおかしたときに、自己保身のための言い訳と受けとられてしまうことが多いからだ。
自分のミスなのに、人のミスであるかのように相手を攻撃する。
そうして攻撃することで自分の立場を守ろうとする。
そんなときに、このような否定的表現がしばしば使われる。
できれば言い訳など聞きたくない、素直に謝ってほしいというのが、こういうときの上司が抱く感情だろう。
言い訳をあれこれ考えるよりも、次の機会にどう失敗を修復するか、二度と同じ失敗をしないためには、何をすべきかということが問題なのである。
上司はそうした答えが返ってくるのを期待して叱責したのかもしれない。
「でも」「どうせ」「だって」は、話の腰を途中で折り、形勢の逆転をはかる効果がある。
そして、同時にその言葉を発した当人の自信のなさをあらわす言葉でるある。
相手の立場を慮って言っているのではなく、自分の立場だけを主張し、それを押し通そうとしているように受けとられる。
だから、会話では、この三つの言葉はできるだけ避けたほうが無難である。
口から出そうになったら、じっとこらえるくらいの勇気を持たなければならない。
とくに初対面の人には、本来以上に強く受けとられる恐れがある。