好意を抱いている人と会話が弾むのは、幸せな気分になるものだ。

それほど好きな相手でなくても、「へえ、コイツこんなところがあったのか」と新たな発見をする会話ができれば、人間関係に前向きになれる。

悩みを聞いてもらってスッキリする、趣味の話題で盛り上がる、恋の予感のする会話でドキドキする。

大いに話し、大いに聞いて、お互い元気になりたいものである。

会話はキャッチボールだと言われる。

まにその通り。「そうですね」「えっ、知らなかったなあ」「さぞ大変だったでしょう」などと、時に共感し、時に驚き、時に称賛する。

あいづちが、ボールなのである。

だが、中にはとんでもない悪球がある。

それが「しかし」「でも」だ。議論には欠かせないこのフレーズも、楽しい会話ではしらけさせる元凶となりかねない。

相手を拒むニュアンスを与え、いちいちつっかかる印象を免れないからだ。

「否定のあいづち」は極力使わないのが賢明である。

無意識の言葉グセで幸せな気分を逃してはもったいないではないか。

 

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「聞き上手」は「話し上手」でもある

自分のことだけをペラペラとしゃベりまくる人は、一緒にいても疲れるだけである。

暴走し気がついたら、まわりがしらけていることがある。

会社の上司は特にそういった光景が見られ、部下の不満な顔立ちを眺めていることもある。

運よく言葉を挟むことができても、そういった人は、たいていの場合こちらの言うことなど聞いていない。

再び会話の主導権を握り、あげく「今日は楽しかった」などと言いながら去っていく。

 

思い当たるフシがあるなら、会話の上手な人を思い浮かべてみてほしい。

「楽しい会話」を提供してくれた人は、きっと、聞き上手な人であるに違いない。

一方的にしゃべりまくるのは、自己主張ですらなく、身勝手というものである。

だが、相手はそんな会話につき合ってくれたのだ。

その人はどんなあいづちを打ったのか?

どんな目線を送ってくれたか?

話と話の間に沈獣はあったか?

その人は話の合間に「それでどうしました?」と会話を促したり、もっと強調したいという話の内容に、興味を示す言葉を投げかけたはずである。

だから楽しい会話ができるのだ。

おそらく、人間、話し上手より、聞き上手を学ぶべきなのである。

 

会話のタブーを守ろう

若い人たちは、気楽に男女の会話を楽しんでいるようである。

相手を飽きさせない巧妙な語り手である。

そこで、一例として、女性との会話でのタブーを教えよう。

一対一の場合のタブーは、相手の劣等感に結びつくような言葉だ。

たとえば「ふっくらしている」とか「化粧が厚い」とかはもちろんダメ。

「顔より中身」など、フォローしたつもりの失礼もある。

集団でのタブーは、容姿や服装に対するほめ言葉だ。

一人だけにスポットが当たってしまっては、ほかの女性が怖いからである。

この基本を押さえ、あとは少しずつほめよう。

そんなにいつも言われたのでは、私は幼稚園児になってしまいます」と切り返したご婦人がいらしたが、実にウィットに富んだ答えであった。

しかし、何よりの会話の妙は、「話題が豊富だということだ。「こんにちは」で終了の会話は、つまらない。

これが会話の楽しみ方なのだが、さて、あなたはどうだろう。