上司からの叱責(しっせき:相手の非をとがめ、きびしく注意する)は期待されているもの
ブラック企業の多い中、恵まれない上司がいる場合もあるが、中にはそうでもない上司もいるものだ。
今の時代、入社したての最近の若者は、ちょっときびしい言葉をかけると「じゃあ、辞めます」と言うことが今では珍しくないそうだ。
だからか、上司も喉元まで出かかった言葉を我慢して飲み込み、部下の行動を気にしてしまい叱ることが少なくなったという。
そんな時代に、上司によく叱られるのは、みずからの可能性を喜んだほうがいい。
「叱られ上手が出世する」という言葉があるが、叱られるのは、上司が見込みがあると踏んでいる証拠なのだ。
最近の若い人にはあまり馴染まなくなった過去の人になっているが、50代の世代にはかの有名なスーパースターことミスタープロ野球といわれる長嶋茂雄氏が選手時代、時の川上哲治監督からもっともどやされたという話は有名だ。20代の人にはお父さんに聞いてもらうとその雄姿を語ってくれるだろう。
長嶋氏の天性の明るさ、気分転換の早さを見越してということ以上に、野球選手としての可能性を伸ばすための叱責だったと思う。
感情的に怒りをぶつけられるのは迷惑至極(めいわくしごく)だが、理があって叱られたのなら「おっ、自分には見込みがあるってことか」くらいにうぬぼれておこう。
上司の目には少なくとも「この程度では音をあげないタフなヤツ。その点はみどころがある」と映っているはずだ。
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いいわけをせず前進しよう
弘法も筆を誤ることがあるくらいだから、ミスをしない人間はいない。
どんなに用意周到(よういしゅうとう)に仕事を進めていても、突発的な事態が起きて失敗に終わることもあるのだ。
しかし、結果は同じでも、そこに至るまでに、どうその仕事に関わってきたかによって、「その後」が違ってくる。
やれるべきことはすべてやったのであれば、失敗にも満足感が残るが、何の努力しなかったための失敗では、「あれをやっておけば・・・」 「これをクリアしていればおそらく・・・」という悔いに振り回される。
前者はミスに学び、後者はミスに打ちのめきれる図式である。
この差は大きい。もちろん、同じミスを二度、三度と繰り返す危険性が高いのは後者だ。
ミスをしでかした時の具体的な対応で、もっともいけないのは、責任をほかに転化することである。
「彼が作った資材が不十分だったので」
「彼女が情報を正確に伝えてくれなかったから」
といった類のいいわけは見苦しい。
この手合いは、ビジネスマンとしても二流だが、人間としては三流以下。
即刻、改めたほうがいいだろう。
辞める前にやり方を考えよう
仕事で思うように成績が上がらない時、ふとこんなことを考える。
「この仕事は自分に向いていないのではないか。他の仕事に変えたほうが・・・」
もちろん、向き不向きはある。
人づき合いが苦手な人が、大勢の人と接するサービス業につけば、フラストレーションばかりがたまるかもしれない。
しかし、そんな極端なケースはそうはないはずだ。
また、誰もが天職についているわけでもない。
だから、仕事を変えようと考える前に、まず仕事のやり方を変えることを考えたらどうだろう。
ミスの連続や成績の低迷は、それまでのやり方に問題があることが少ない。
以前、横浜ベイスターズは、権藤監督のもと、どの球団でも行っているミーティングを廃し、選手の自主性尊重する「のびのび野球」で日本一の栄冠を得た。
これなどやり方を根本から変えて成功した好例だろう。
定着している慣習や方法論を捨ててしまうのは勇気がいることだが、新しい可能性を拓くためには、時にその勇気を奮うことが必要だ。