仕事には、だいたい結果が予測されるものと、結果が読めないものがある。

それまでの仕事の延長線上にあるのが前者、まったく新たなプロジェクトなどが後者だ。

後者への挑戦には、リスクがついてまわる。

ビジネスではリスク回避は重要なテーマだから、それを回避することはできない。

だが、リスクを恐れるあまり積極性を失うのはどうだろう。たとえ失敗に終わっても、積極的に攻めることの中に、次の成功のヒントが隠されていることは少なくないのである。

「失敗は成功の母」という言葉は言い古された感じがするが、その真理は変わらないのだ。

失敗は、どこが間違いだったか、何が足りなかったかなどを、実感として教えてくれる。

この教訓が、貴重なデータとなるのだ。

「製品に問題はなかったが、マーケティングが十分ではなかった。よし、マーケティングを徹底的にやって再挑戦だ。」

こうした具体的な戦略・戦術は、積極的な失敗なしには生まれない。

「これで間違いなく成功するのだろうか」などと結果ばかり考えていては、かえって必敗となる確率が高まるのである。

 

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人に力を借りる前に行動する

行き詰まった時に、力を貸してくれる人がいるのは心強い限りだ。

自分の力だけでは手にあまることでも、周囲の力添えを得れば、実現にこぎつけることができる。

しかし、「ああ、困った困った」と手詰まり状況をアピールするだけでは、人はなかなか力を貸してはくれない。

相手の力を引き出す努力が必要である。

「明日までに企画書を仕上げなければいけないんだけど、何か、いいアイデアない?」。

こんなことを言う人間に、手を貸す気になるだろうか。

否である。

自分では何の努力もせずに、ハナから人の力をあてにしているような態度を見せられたら、誰だって「助っ人なんか願さげ」という気分になる。

一方「企画書をここまでまとめたのだけれど、最後のツメがどうもうまくいかないんだ。もう一歩なんだけどなあ」ということであれば「どれどれ、一緒に考えてみるか」となるはずである。

できることはやってみた結果、どうしてもりない部分があるということを相手に示しているか、反省してみてほしい。

 

どんな助言にも「ありがとう」を言おう

人からのアドバイスは、停滞していた状況を変えるヒントになることがある。

彼の一言が仕事のスランプを脱するきっかけになったり、彼女の助言でわだかまっていた気持ちが吹っ切れた、といった経験は誰にでもあるだろう。

ただし、人の意見に耳を傾けることは大事だが、期待を抱きすぎると関係をダメにしてしまうことがあるので、注意したい。

人間は勝手なもので、相手から思っていたような言葉がもたらされないと、「必ずいい答えを出してくれると思っていたのに、案外頼りにならないんだなあ」などと、相手を責める気持ちになったりする。

相手はいい迷惑である。

人からのアドバイスや助言こそ、相手まかせ、場合まかせにしたい。

「役に立たなくてかまわない、自分のために時間を使ってくれたことに感謝しょう」というくらいに考えておくのが正解だ。

ヒントは重要だが、気分や状況は結局のところ、自分で考え、解決していくもの。

人にそこまで求めるのは見苦しいし、情けないというものだ。