過去を思い起こしても無駄なだけ、精神に負けず将来へただ進むだけを見据えろ!
昔の話ですが、ボクシングの元へビー級チャンピオンのマイク・タイソンが来日したとき、記者の1人が、「あなたは、ボクシングを始めてからダウンしたことはありますか ?」と質問したことがあります。
するとトレーナーが即座に、「あるわけないだろ。これからもない。彼は倒れもしないし、負けもしないんだ」と答えたといいます。
後日、トレーナーが語ったとされるところによると、試合の前だというのに、「彼に過去のことを思い出させて自信を失わせたくなかった」と本音を明かしていのです。
いくら当時のタイソンが最強だったとはいえ、試合がどのように転ぶかはわからない。
そんなときに少しでも自信を失うような気持ちにさせたくなかったとのことなのです。
なぜこんな逸話(いつわ)を紹介しているかというと、過去に目を向けると、たいていの場合には意気消沈(いきしょうちん)、意気阻喪(いきそそう)してしまうからなのだ。
とりわけミスしたことなどを考えると、そのような心理になる。
断言してもよいが、過去を振り返ると、ほとんどの人は気落ちする。
自分の弱さ、未熟さばかりが目につくので、「俺ってヤッは、やっぱり無能で最低で最悪だ」と腰を落とすのだ。
また、日本のサッカー界名監督でもおなじみの岡田武史元日本代表監督は、試合が終わってもミーティングのようなものを、ほとんどしないことで知られています。
岡田監督が言うには、「試合の後の反省会なんてやらないほうがいい。ゲームが終わった疲労感の中で議論しても、得られるものはほとんど何もないからね」ということらしいのです。
日本人ビジネスマンは、反省するのが大好きであるが、反省しても得られるものはほとんどないといえます。
反省をして、「よし、今度は別のやり方でやってみよう!」と前向きな気持ちになれるのならまだしも、たいていは悪者探しに終始してしまい、自信喪失するくらいがオチである。
上司に叱られたことや、取引先で怒鳴られたこと、お客に文句を言われたことなど、そんなことばかり考えていたら、明日への活力が失われるだけなのです。
失敗や落ち度は財産として、切り返しを早く、明日への機動力と目標をこなすことを考えて行く事が大事なのです。