いつも元気でエネルギーにあふれている人と、表情がくもりがちで精彩がない人の顕著な違いは、日常生活の過ごし方、感じ方にあると思います。
元気のない人は元気な人を見て、「あの人はいいことがたくさんあっていいなあ。それにひきかえ、自分は不幸なことばかりだ」と思いがちです。
しかし、それはまったくの誤解です。
いつも元気な人は、たくさんのラッキーに恵まれているのではなく、日常生活の中で幸運なことを見つけ出す能力にたけているのです。
元気のない人は、誰にでもある小さな幸運を見逃しているので満足感が少なく、いつも疲れを感じて覇気がないだけなのです。
逆に言えば、日常生活の中の小さな幸運に気づくようになれば、満足感が増し、元気になれるということです。
では、日常生活の小さな幸運に気づくとはどういうことでしょうか。
それは簡単なことです。
どんな些細なことでも、「いい体験だった」と思うようにすればいいのです。
たとえば、たいていの人は電車が定刻どおりに動くことを当然のことだと考えているでしょう。
しかし、これを当然のことではなく、運のいいことだと思えばどうでしょうか。
「定刻どおりに動いてくれたおかげで、予定どおりいきそうだ。
ラッキーな気がする」と思うなら、小さな満足を得ることができます。
あるいは、いつもより早く仕事が片づいたとき、「こんなに早く終わった。ラッキー」と思えば、いい気分になれます。
そこで得られる、ちょっとした満足感が大切なのです。
ほんのわずかであれ、満足感に浸ることができたなら、脳からはドーパミンが分泌され、疲れは消えていきます。
「よかった。運がいい」と思って、ちょくちょくドーパミンを出しておけば、それほど疲れを感じることもなくなります。
「よかった」と感じられるかどうかは、モノの見方の問題です。
列車が定刻に着くのを当然と考えていると、定刻どおりに着いても何も感じません。
それどころか、少しでも定刻に遅れると不快になります。
不快感は疲労のもとですから、疲れもたまりやすくなるのです。
逆に、少し想像力を働かせて、電車が定刻通りに運行するためにどれほどの人が努力しているのかを考えれば、べつの見方も出てくるでしょう。
こんな過密のダイヤの中でよくやっていると思うなら、そこに感謝の気持ちが生まれ、満足感をえることができるのです。