性欲障害でセックスレス
射精ができない、勃起ができないという男性が多くいます。
「性欲がない」なんて、何も困っていない人には理解できないかもしれません。
しかし、意外とそんな人は増えています。
大きく2つに分けられます。
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セックスレスの原因『器質性の性欲障害』
身体的な問題が原因となる性欲障害のことです。
比較的短期間もしくは数年の間に、自分の性欲が低下したことに気づいて受診される場合が多いです。
原因としては、ホルモンの低下や薬剤によるものが考えられます。
ホルモン低下とは、加齢によるものが原因である場合が多いですが、まれに成人発症の特発性下垂体機能低下症のように病気が隠れている場合もあります。
また、性欲低下の原因となる薬剤は、降圧剤や抗鬱薬などがあります。
性欲の低下にも、病気が隠れている可能性があるということです。
まずは検査しなくては、わかりません。
でも、これは原因が明らかなので治療ができる可能性があります。
セックスレスの原因『妻にだけ性欲を感じない性欲障害』
このパターンは、奥様に連れられて不妊外来を受診する場合が多いです。
長期間セックスレスであるカップルもよく見られます。
この性欲低下の原因となるものは、教科書的には2つあげられています。
①「妻のことが肉親に思えてしまう」「家族の一員のよう」ということで性欲が無くなってしまう場合。
みんな共通なのは、夫婦の仲はいいのにセックスができない、という悩みを抱えているということです。
精神科の先生が書かれた教科書を読むと、妻を自分の母や姉妹と同一視していて、近親姦恐怖やエディプス·コンプレックスが根本の原因であるといわれています。
②「そのときになると、やる気が無くなってしまう」人たち。
例えば、タイミング法で、「この日にセックスしてください」と言われると急にできなくなってしまう。
または、やる気があったにもかかわらず、奥さんのたるんだお腹を見て性欲が急に無くなってしまうなんて場合もあります。
この場合は、治療するのが非常に困難で、長期間の精神療法が必要になります。
子づくりのため、「妊娠させるためにセックスをしなくちゃならない」、という強迫観念で射精障害になった男性がいますが、その方は奥様が妊娠することで射精障害が治ってしまいました。
そういった事例もあります。
不思議なものです。
最近では、検査上では何も異常は認められないのにもかかわらず、誰にも性欲を感じず、マスターベーションもしたくない、といった人も見かけます。
いずれにしろ、なかなか治療が難しく、お子さんを希望されている方には安易に人工授精を勧めがちです(しかし、それが簡単で確実な方法であります)。
性欲低下やセックスレスにもいろいろな原因があります。
そのときは、泌尿器科だけではなく、精神科の先生にも診察を依頼して治療をしていく必要があります。