Contents

揚げ物が好きな人ほど、老けるのが早いようですよ。

体の糖化は、活性酸素とともに老化を進め、健康の寿命を縮めるものです。

糖化は、血液中にあふれた糖が血管からしみだし、たんぱく質にくっついて起こります。

糖化した細胞は、本来の働きを失ってしまいます。

体を構成する細胞などのたんぱく質が「メイラード反応」という「コゲつき(褐変(かつぺん)反応 」を起こして、「AGEs(終末糖化産物)」と呼ばれる物質に変わるのです。

イメージとしては、こんがりと焼きあがったホットケーキ、のようです。

 

メイラード反応は、身近にある食品に見られます。

ホットケーキは糖質(小麦粉、砂糖)とたんぱく質(卵、牛乳)を材料にして、加熱することでメイラード反応を起こした食品です。

肉や魚の焼き目、コゲ目もそうです。

みそ、しょう油、ビール、コーヒー、せんべい、キャラメルなどの製造過程にもメイラード反応がかかわっています。

AGEsは、食べ物からも体内に取り込まれます。

その量は調理の方法によって違いがあります。

油を使った揚げ物、炒め物はAGEsの量が多くなります。焼き色、コゲ目の強いものもその値は高くなります。

フライや天ぷら,唐揚げ、ポテトチップス、フライドポテトにはかなりの量のAGEsが含まれているのです。

揚げ物には、酸化の害もあります。

揚げてから時間が経てば経つほど、体内毒素の活性酸素や過酸化脂質(酸化しすぎた脂)も発生させます。

 

過酸化脂質も、きわめて有害な物質です。

体内に蓄積され、徐々に細胞や臓器の内部を傷つけていって破壊します。

一方、水を使って煮たり蒸したりしたものだと、AGEsの値は低くなります。

肉だと、焼肉やステーキよりもしゃぶしゃぶのほうがおすすめです。

刺身など生ものには、AGEsがほとんど存在しません。

メイラード反応がかかわる食品でも、みそ、しょう油、コーヒーはAGEsの害を抑える成分が含まれていて、AGEsの心配がないと考えられています。

 

怖いのは、糖化を進める人工甘味料です。

なかでも、清涼飲料水、炭酸飲料、菓子、缶詰など各種加工食品に使われている「フルクトースコーンシロップ(とうもろこし由来のぶどう糖果糖液糖)は、糖化を進めるきわめて有害な甘味料です。

できるだけ避けるのが無難です。

AGE sは老化を早め、さまざまな機能を低下させます。

男性ホルモンの分泌低下の原因にもなります。

老化とともに発症リスクが高まる白内障は、目の水晶体にAGEsが蓄積されて発症します。

 

血糖値の急上昇を抑制する工夫。

さらには、糖尿病、動脈硬化、ボケ、骨粗鬆症などの人生を壊す病も呼び込みます。

AGE sの蓄積を防ぐには、ゆるやかな糖質制限と血糖値を上げない食べ方が大切です。

食事の30分後に体を動かすと血糖値の急上昇が抑制でき、血液中のAGEsの値も下がります。

自宅での食事の場合、30分後を目途に食器洗いなど家事で小働きする習慣をつけると効果的です。