「水に流す」という言葉がありますが、トラブルや災いが起きても、根にもたずに、そこで手放すということは大事です。
これは日本独特の文化で、もともとは川などで穏れを清めて流してしまうことが語源だそうです。
トラブルを長く抱え込まないというのは、よい習慣だと思います。
何かイヤなことが起きると、人はなかなか気持ちを切り替えることができないものです。
それで、さらに考え込んだり、悩んだりして、かえって事態が悪くなるということもあります。
その意味で、「水に流せる」というのは、日本人のいいところだと思うのですが、これがマイナスに働いて、いいことも悪いこともただ流してしまうと、何が大切で、何が大切でないかもわからなくなってしまいます。
「まあ、いいか」という言葉は、自分の本質を殺してしまう言葉です。
この「まあ、いいか」は歳を重ねれば重ねるほど、知らないあいだに使っている場面が多くなっていきます。
そうして、曖昧なまま、なんとなく、イヤなことも引き受けてしまうのです。
ふだんから、自分に大切なものとそうでないものを考えておきましょう。
それを考えておかないと、「まあ、いいか」でやり過ごしてしまうようになります。
でも、そこには「自分」がないことを知っておきましょう。
自分なりのこだわりが薄れていくのは、40代の特徴でもあります。
しかし、まわりに流されつづけていたら、自分にとって本当に大事なものも見失ってしまうことになります。
今度、「まあ、いいか」が出てきたときには、「いや、よくない!」と自分にキッパリと言ってみましょう。