体は、「体内時計」の働きで食事のリズムを記憶します。
体内時計は、朝になると目覚めて夜になると眠くなるように、時間の変化に合わせてさまざまな機能を絶妙に調節する仕組みです。
食事は毎日、朝昼夕の3食を規則正しく摂ります。
朝日を浴びると、1日を始める体のスイッチが入ります。
決まった時間に摂る朝食の刺激で、胃や腸、肝臓などさまざまな器官が正常に動きだすのです。
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朝日と朝食がセットになることで、体の仕組みは最適なリズムを刻みます。
朝食だけは同じ時間に摂る
とくに、朝食は大事です。
朝食を摂らないと血糖値が上がりやすくなり、基礎代謝も低下します。
基礎代謝は、代謝のなかでもダイエットでよく知られています。
ご存じのように、呼吸や体温の調整など、根源的な生命活動を維持するのに必要な最小のエネルギー消費です。
基礎代謝が維持されるからこそ、寝ているときでも心臓が動き、脳も働き、血液も体内をめぐり続けます。
基礎代謝は、生命活動そのもの。
基礎代謝の低下は中年太り、慢性疲労、かぜの原因でもあるのです。
朝食を抜いて空腹時間を長くしてしまうと、昼食や夕食の量が多くなり、その分、腹持ちのよい糖質の摂取が増えます。
長時間の空腹後の体では、乾いた砂が水を一気に吸い込むように、糖の吸収が進みます。
基礎代謝は、食事の質量に応じます。
体は、食事からの摂取エネルギー量が減れば、少ないエネルギー量に見合った生命活動を営みます。
つまり、体力が落ちてしまうのです。
昼食は、朝食から最低でも4時間はあけて摂ります。
日中は活動量が増えますから、しっかり食べてエネルギー源を補給しましょう。
正午ころに昼食をしっかり摂ったとしても、夕食まで間があります。
3時間もすると小腹がすきますから、このタイミングでおやつを食べます。
私は買い置きのバナナやマンゴーといった果物、あるいはプルーンなどのドライフルーツ、ナッツ、干しいもを口にします。
乾物の小魚も、おやつに適した食材です。
果物に含まれる果糖は、即効性のあるエネルギー源になります。
疲れているときや激しい運動をした後に食べると、果糖がすぐにエネルギー源として使われ、疲労
回復におおいに役立ちます。
「3時のおやつ」には、合理的な理由があります。
昼食から3時間も経つと、体に摂り込まれた栄養素は消費されてしまいます。
このタイミングでおやつを食べれば、栄養素の補給を待つ細胞に新鮮な栄養素を行きわたらすことができるのです。
どうしてもスイーツが食べたいときもあるでしょう。
そんなときは、食べる前に、食物繊維のサプリメントを摂るようにします。
食物繊維には、糖と脂肪の吸収を抑える効果があるのです。
外出時に携帯しておくと便利です。
夕食は、夜8時までにすませるのが理想。
遅くても、9時までには終えます。
夜は、体をつくる時間帯です。
胃腸の機能が高まり、食事で摂った栄養素は体内に十分、吸収されます。
寝ている間、成長ホルモンの働きで代謝を活発化する筋肉がつくられたり、日中に傷ついた細胞が修復・再生されたりします。
ところが、夜遅くまで食べていると消化が優先され、栄養素の吸収が十分に行なわれなくなります。
また、成長ホルモンは血糖値が上がっていると分泌が抑えられます。
飲食後すぐの就寝は、血糖値が上がったままの状態で眠りにつくことになり、代謝を妨げてしまうのです。
夕食後、3~4時間は間をあけ、小腹がすいたころに寝る習慣を持つと、体はリフレッシュして疲れが抜けやすくなります。
昔から「1日3食がよい」と言われていますが、この習慣によって代謝がスムーズに行なわれます。
そして、健康的な体のリズムがつくられ、栄養素はほどよく全身に行きわたります。
「1日3食」には、こうした「ワケ」があるのです。