脳に満足する生き方で疲れ知らずに?!

なぜ、世の中これほどまでに疲れた人が多いのでしょうか?

 

その理由を一言で説明すると、満足感に浸る状況が極端に少なくなっているからです。

満足感に浸る機会がたくさんあるなら、人は疲れを感じることはそれほどありません。

しかし、つねに不満を抱えながら生活をしていると、すぐに疲れがたまってしまいます。

その疲れは解消されることなく、体にどんどん蓄積されていくのです。

 

じつのところ、「満足」・「不満足」と「疲れ」とは深い関わりがあります。

日本に疲労感が蔓延しているのは、ちょっとしたことですぐに不満を感じやすくなっている人が多くなっていることと無関係ではありません。

「なぜこんな仕事をしなければならないのか?」

「会社の人間関係に耐えられない」

 

といった仕事の不満にはじまり、

 

「店員の態度が悪い」

「電車で隣に座っている人が不快だ」

 

など、不満を挙げていけばキリがありません。

このように、不満を抱えれば抱えるほど、人の体は疲れをどんどんため込むようにできているのです。

 

不満を感じることが疲れを蓄積し、満足に浸ることが疲れを解消するのは、じつは脳の働きと深い関係があります。

 

なぜ、不満を感じることが多いと、疲労がたまっていくのでしょうか?

脳と体の仕組みを簡単に見ていきましょう。

 

私たちの体は約60兆もの膨大な数の細胞からできているそうです。

そのコントロールタワーの役目をしているのが脳です。

では、疲れはどのように発生するのでしょうか?

「疲れとは、体の基本単位である細胞が、エネルギーを失って、活動することができなくなった状態」のことです。

 

どういうことかと言いますと、細胞が活動をするにあたり、当然、汚れやカスが出ます。

そのカスが細胞の外に排出されずにたまっていくと、うまく代謝をすることができません。

「人が活動する 細胞が活発に動く」ためには、ATP (アデノシン3リン酸)と呼ばれる物質をつくり出すための代謝がうまく機能する必要があります。

しかし、それができなくなってしまうわけですから、当然、新しいエネルギーが生み出されません。

つまり、細胞が「ガソリン切れの状態」ということです。

こうなると、体が動かなくなり、私たちの脳は、「疲れ」を感じるようになるのです。

ちなみに、細胞内のカスを排出するときに、脳から分泌される代謝促進のホルモンがメッセンジャー(指令伝達)の役目をします。

代謝促進ホルモンの中でも特に重要なのが、「快感のホルモン」と呼ばれる「ドーパミン」です。

たとえ長時間働いたとしても、ドーパミンが分泌されると、細胞内からカスがうまく排出されます。

すると、新しいエネルギーが次々と生み出され、細胞内のエネルギー循環がスムーズにいくようになります。

だから、脳が疲れを感じにくくなるのです。