「そうなると思ってたんだ」は、逆ギレされる
一緒にスポーツ観戦したり、映画を見たりしているとき、「やっぱりなあ。そうなると思ったよ」という人が、あなたの周りにもいるでしょう。
自分は洞察力や想像力がいかに優れているかを誇示(こじ)したいのでしょうが、あまり感じのいいものではありませんね。
ちょっと意地悪して、「そう思ってたら、そうなる前になぜいわないわけ?」と、チャチャを入れたくもなりますね。
スポーツや映画なら、笑ってすむ問題ですが、自分が仕事上のミスをしたとき、
「やっぱりね。私、たぶんこうなると思って見てたんだ」
などといわれた日には、「だったら、先にいえよー」と、声を荒らげたくなりますね。
でも、相手の心理を推察すれば、「お節介しても悪いなぁ」とか、「余計な口をはさむと、機嫌を損ねるかもしれないから黙っておこう」と思っていたのかもしれません。
危ないなあ、ちょっと注意したほうがいいなあ・・・と思いながらも、相手の気持ちも考えて黙っていたら「案の定、失敗した」ので、思わず「やっぱり・・・」といってしまい、これに逆ギレされたのでは目も当てられません。
では、どうすれば失敗させず、お節介だとも思われないのでしょうか。
それは自分や他の人の失敗を教訓にしてもらうのが一番です。
「以前、あなたと同じような仕事をしていた人がいて、同じような方法を試したんだけど、見事に失敗したのよ。それは、○○○が原因でトラブルになったんだけど、あなたのことだから、その辺の問題はクリアできているよね」というように、です。
何がミスの原因になるかは教えるけれど、相手の甘さは責めない・・・つまり、相手のプライドを傷つけないでアドバイスするという手法です。
可愛がっている後輩なら、
「あなたねえ、○○○のことちゃんと考えてるわけ?見たところ、対策、考えてないみたいだけど、だいじょうぶ?」という具合に、少々きつい表現でも許されるでしょう。
けれども、あまり親しくない相手には、頭ごなしにいって反感を買ったり、やる気を低下させたりするのもよくないですから、できるだけヒントを与えるだけにとどめたいものです。
そして、万が一にも「俺の思ってた通りだ。失敗すると思ってたよ、お前は」などと、鬼の首でも取ったような気分にならないことです。
「思ってた通り」というのは、「ざまあみろ」といっているようにしか聞こえないものです。