あなたの人生には、いま考えている以上にすばらしいものがたくさんあります。

自分にとっては当たり前にあると感じているものなので、そのことに気がつかないのです。

 

たとえば健康は、その一つでしょう。

健康というのは、なくなって初めて、その存在に気づく資産です。

いま、もしも身体のどこにも痛みがないとしたら、それはとても幸せなことです。

病気がちな人なら、痛みがないことに対して感謝するでしょうが、健康な人たちは、痛みがないことに気づきもしないのです。

だから、わざわざ、自分の手帳に「健康が欲しい」とは書かないわけです。

 

あなたの人生にあるすばらしいもの.

なんて自分はラッキーなんだということに気がつけること。

それが人生を、いまの何倍にも心豊かなものにしてくれます。

世界的に見れば、家もない生活をしている人たちがほとんどだという地域もあります。

それを考えたら、自分の家がある、雨漏りもしない、寒くて凍えることもない、餓死するような栄養状態でもない、たとえ病気になっても医療も受けられるというのは、夢のような生活です。

「もっとお金があったらいいのに」「もっといい場所に住めたらいいのに」「もっとやりがいのある仕事につけたらいいのに」など、不満や願望はあるでしょう。

けれども、じつは自分は本当に幸せな環境にいるんだということを、まず自覚しておきましょう。

 

幸せは、ふとしたときに気づくもの

あなたの人生にあるすばらしいものは、先ほど挙げたことだけではありません。

あなたがふだん気がついていない幸せが、他にもあります。

「自分を大事に思ってくれる人がいる」

「愛する人と一緒にいる」

「仕事で一緒にいる人たちがすばらしい人たちだ」

こうしたことも、その状況がなくなって初めて気づく幸せです。

 

転職したことによって、前の会社のいいところがわかることがあります。

「気が合わない人もいたけれど、みんな明るくて、楽しい人ばかりだった」

「忙しいことが不満だったけれど、とても充実していた」

「あのときは叱られてばかりいたけれど、それがいまになって役立っている」

同じような思いを、あなたも感じたことがありませんか。

人間というのは愚かなもので、何かを失って初めて、その価値がわかることがよくあります。

このことを理解するのに、みすみす大切なものを失うことはないのです。

 

あなたが、見過ごしがちな幸せを探してみましょう。

20代、30代のときは、コンプレックスや競争心が強すぎて見えなかったものも、いまなら見えるはず。

日常の忙しさにまぎれて、見落としていたものはありませんか?

あなたの家族、友人、仕事、住まい、持ち物などの分野で、あなたがつい感謝を忘れていることは何でしょうか?

「もっと、もっと」に目がいって、手元にあるものを味わっていないかもしれません。

幸せに関して面白いのは、「幸せになりたい!」という人は、幸せを逃すことです。

幸せは、ふとしたとき、すでに手の中にあったと気づくものです。