ある研究によれば、ボケの患者さんには、

「あまり社会と関係を持ちたがらない人」

「人の意見に耳をかさない人」

「趣味や生きがいを持たない人」

といったタイプが多く見られるそうです。

 

ボケには遺伝的要因が半分くらい関係するといわれていますが、それ以上に環境的要因も大きく影響するということです。

そして、その分ボケは防げる可能性があるということなのです。

では、「ボケない脳」をつくるには、具体的に何をすればよいのでしょうか。

まず第一にいえることは、先ほども述べたように、危険因子となる病気をただちに治療することです。

これで、脳血管性痴呆になる可能性はかなり低くなります。

 

次に、ライフスタイルをふり返ってみましょう。

たとえば、「もの忘れが多くなったという人」は、「情報を拒否している人」が意外に多いのです。

 

Contents

ボケる可能性!あなたは次の項目にいくつあてはまりますか?

①  新聞や本はほとんど読まない

② インターネットなどのIT (情報技術)にはまったく興味がない

③ 人のいうことに耳をかさない

④ 人からものを教わるのは嫌いだ

⑤ 家族以外の人と会話する機会があまりない

⑥ 外出や旅行は好きでない

以上の項目のうち、2つ以上あてはまる人はボケの注意信号が黄色、4つ以上あてはまるならば赤信号です。

情報が入ってこなければ、脳は記憶のしょうがありません。

 

記憶力は使っていないと衰えます

脳神経細胞のシナプスの枝が、どんどん枯れていくのです。

「どうせ覚えられないのだから」と、あきらめてはいけません。

年をとると覚えるのに時間がかかるものです。

また、覚えたいことを全部記憶することは不可能でしょう。

忘れたっていいのです。

たとえ覚えられなくても、情報が入ってきた脳は刺激を受けて活性化します。

ですから、「読む」だけでなく、「聞く」「見る」「体験する」など、できるだけ五感を使って情報を入手するよう心がけましょう。

 

もう一つ大切なことは、記憶の出力です

情報を入力するだけでは宝の持ち腐れになってしまいます。

出力とは、これまでに得た知識や経験をフル活用して判断や思考、創造、技術的な作業に活用することです。

具体的にいえば、町内会やボランティアなどに参加したり、昔、趣味だった絵や陶芸を再開する、食べることが好きな人は料理に挑戦してみるなどです。

どんなことが向いているかは、その人の知識や経験によって異なるでしょうから、自分に合った出力方法で記憶を生かしてみましょう。