40歳を過ぎたら「絶対に気をつけたい」高血糖
これまで糖尿病は、50~60代の病気と考えられていたが、最近では30代、40代の働き盛りが発症するケースが急増している。
自覚症状がなく、仕事が忙しい働き盛りの世代ではつい見落とされることも、糖尿病を増やす原因になっているようだ。
また、過食や運動不足、飲酒や喫煙、精神的ストレス、睡眠不足などの生活習慣も、発症のきっかけといえる。
さらに、糖尿病で治療が必要な人のうち4割近くが適切な治療を受けていないというデータもあり、糖尿病への認識不足が重症患者を生む原因にもなっている。
糖尿病をそのままにしておくと合併症が進行し、取り返しがつかなくなることもあるのだ。
たとえば、40歳で発症した場合、きちんと治療を受けずに高血糖が続くと、45歳ごろには手先や足先の神経障害でしびれが起こり、50歳ごろには網膜の血管が害されて視力が低下する。
60歳になると腎機能が低下したり、合併症による血管障害を発症する場合もある。
これを避けるためには、糖尿病と診断されたらどんなに仕事が忙しくても、真剣に治療に取り組むことである。
患者は生活習慣を見直しながら薬による治療も開始しなければならないが、最近、登場したインクレチン関連薬を早くから用いることで、すい臓を保護しながらインスリン分泌機能を改善し、血糖値をよい状態に保つことができるようになったそうだ。
一日一、二回の投与で大丈夫なインクレチン関連薬は、まさに糖尿病患者の救世主のように見えるが、使うには注意点もある。
まず、1型糖尿病や病歴の長い2型糖尿病の患者のように、インスリンの補充が不可欠な患者には使用できないことと、他の糖尿病治療薬と併用した場合に低血糖が起きることがあるのを覚えておこう。