「体のメンテナンス」に、もっと時間とお金を投資する
体力が気力を支え、気力が能力を支える
「あなたは健康に自信がありますか?」
こう問われて、自信を持って「はい」と答えられる40代の人は、どれくらいいるのでしょうか。
この質問に対する年齢別の回答が、厚生労働省の労働者健康状況調査で明らかになっています。
「健康である」と答えた人の割合が最も少ないのが40~49歳の男性でした。
にもかかわらず、「健康のために普段なにか行なっている」と回答した割合は、20代男性に次いで低い結果になっています。
健康ではないけれど、なにかをするゆとりがない、自覚が乏しいなど、さまざまな理由があるでしょう。
30代と比較すると、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の割合が一気に上がるのも40代です。
つまり、 体調が大きく変化するのが40代ともいえるのです。
高血圧や高脂血症くらいたいしたことはない、いつでももとに戻せると思っているかもしれません。
たしかに、いますぐに大病にかかりはしないでしょう。
しかし、がんも生活習慣病のようなものです。
肥満もがんにつながります。
がんは発病するまでに10年くらいかかるので、40代で不摂生な生活を送っていると、50代に後悔することになるかもしれないのです。
40代は節目の年代です。
20代や30代では、右肩上がりに伸びる体力も、40代になると確実に下降しはじめるのです。
これは誰も避けられません。
生活習慣病にならないまでも、若いころは連日終電まで残業をしても、深酒や夜更かしをしても無理がきいて、いきなり体をこわすことはなかったと思います。
しかし、40代でいままでと同じような生活をしていたら、あっという間に体調を崩します。
疲れ目、肩こり、腰痛、胃もたれなどなど、あちこちガタつき、不調がはっきり出る年代なのです。
そうはいっても、日本人は男女とも平均寿命は長いのです。
いまからでも遅くはありません。
自覚を持って健康づくりに取り組めば、快適な40代を過ごせると思います。
ご存知のように、アメリカの企業では、肥満した人は出世しない、もしくは信用されないといわれています。
肥満である=プライベートや食生活において自己管理がなっていない、とみなされるためです。
自己管理すらできない人に、会社のマネジメントや部下の管理はできないだろうと考えられています。
日本でも経営者や政治家が忙しい合間を縫って、ジムに通ったり、ウォーキングや山歩きをしたりして体力維持に努めているのはそのためです。
普段からメンテナンスをしていれば、急にガタがくることはないでしょう。
○体調管理は「できる人」の絶対条件
40代といえば、企業戦士。
仕事や家庭のことで頭がいっぱいで、自分のことにまで手が回らないという人もいるかもしれません。
でも、その考えは間違いです。
一度生活習慣病になってしまうと、そう簡単には完治しないと考えたほうがいいでしょう。
一生病院に通い、薬の手放せない生活になってしまう可能性があります。
そうなればお金はかかるし、時間も取られます。
結局のところ、健康体は一番コストがかからないのです。
40代の男性は、どの年齢層の男女よりも肥満の割合が高い傾向があります。
若いころと比べると代謝も落ちているので、同じように食べていれば太ってしまいます。
体の変化に気づかずに、忙しさにかまけて30代と同じように過ごしている人が多いのではないでしょうか。
牛井チェーンやハンバーガーショップなどの早い、安い、うまい店ばかりを利用していると、仕事の時間を捻出することはできても、体をこわす危険性も高くなります。
それでは、元も子もありません。
たまにならいいかもしれませんが、カロリーの高い食事ばかりをしていると、生活習慣病まっしぐらです。
多くの経営者はお酒のつきあいも多く、毎日のように会食をしている人も珍しくありません。
それでも二日酔いを残すことはないですし、スリムな体型を保っています。
それはお酒を飲まない日を設けたり、運動したりして調整をしているからです。
健康体を保つのがトップとしての務めなのです。
体調がよくないと、けっしていい仕事はできません。
体調が悪いと集中力はなくなり、持久力もなくなります。
よく、やる気が出ない、という人がいますが、それは違うと思っています。
やる気を失っているのではなく、体力を失っているのではないでしようか。
当然その状態では能力も発揮することはできません。
体力が気力を支え、気力が能力を支えるのです。
これを肝に銘じておくべきだと思います。
40代になったら、食生活、運動、睡眠に気をつけるのは基本だと思ってください。
私も毎日ウォーキングをしています。
運動習慣のない人がいきなりジョギングや水泳をやろうとしてもハードルが高いでしょう。
ウォーキングなら今日からでもはじめることができるので、多忙なビジネスパーソンにはぴったりです。
よくいわれる方法ですが、普段降りる駅のひとつ前の駅で降りて歩く、駅や会社でエスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使うなど、日々の生活で工夫できる。
ことがあると思います。
それを続けるのが大事ではないでしょうか。
毎年きちんと健康診断を受けて、その結果をもとに生活をあらためるのが一番効果です。
ちょっと体重が増えてしまった、血圧が高くなってしまったという程度なら、食生活を見直したり、運動を取り入れたりすることによって容易に挽回できます。
忙しくてつい自分のことをあと回しにしがちな40代ですが、取り返しのつかない事態にならないよう、自分の体にも時間やお金を投資するのを忘れずにしたいものです。