「漫然と」老後に突入しない
30代のころは、「老後」というのは遠い将来のものか、親世代のものと考えていただろう。
しかし40代になると、徐々に身近に感じられ、他人事とは思えなくなってくる。
そのため、ちょっとした会話にも「定年後はあちこち旅行に出かけたい」「子どもが巣立ったら、なんでもいいから習い事をしたいわ」などといった言葉が交じり始める。
それでいいのだ。
老後の話をすると、「お前も老けたな」などと冷やかす人もいるが40代はけっして若者ではない。
40年間も人生を重ねてきた大人なのである。
その大人が長いスパンで自分の人生設計を考えるのは、老けこんだことでも老いたことでもない。
成熟した大人として当然といえる。
時間の流れというのは、振り返ると想像以上に速い。
何も考えずにいれば、あれよあれよという間に過ぎてしまう。
だからこそ前もって老後のプランを思い浮かべることは大切なのである。
ただし、漫然と「老後は何かしたい」「どこか行きたい」ではいけない。
なぜなら感情は老化するので、定年退職を迎えるころにはすっかり意欲やときめきが薄らいでしまう。
「何かしたいけど、何をしていいかわからない」「どこかに行きたい気もするけれど、行くのは億劫だ」となってしまいがちだ。
感情の若さを保つには、「生活のなかに喜びを見出す心」「積極的に楽しみや喜びを見つけようとする姿勢」というポイントがある。