あとは下り坂になるだけと沈んだ時に年齢に磨かれる側面に目を向ける。
50歳までの人生が「上り坂」だとすれば、50歳からの人生は「下り坂」だと言っていいかもしれません。
体力は年々衰え、記憶力も鈍ってきます。
しかし、実際には下り坂だったとしても、プラスイメージを持って生きていくことが大切です。
「人生は上げ潮に乗っている」
「体力も気力も十分だ」
「私は今でも向上し続けている」
と考えるのです。
実際、年齢を重ねるほど向上するものはたくさんあります。
たとえば「人徳」です。
その人が持つすぐれた人間性という意味です。
人徳が、若い頃から備わるケースは多くありません。
年を重ねるにつれて備わっていき、50歳を過ぎても向上し続け、60歳、70歳、80歳と、老いるに従って完成に近づくものです。
若い頃はそうでもなくても、50代前後から周囲の尊敬を集めるようになっていく人も少なくないのです。
そのように、年齢とともに向上していく面をいっそう高めようと努力することが、前向きに生きていくコツです。
人間は、ある面の能力が低下しても、別の面が向上していくのです。
それなのに、低下していく能力ばかりを気にしていたら、気持ちが後ろ向きになって、後半生を楽しく生きていけなくなります。