50代を過ぎて振り返ると、家庭に尽くし、仕事では管理職になり精神的・肉体的にも追い込まれ、自分の時間があまりなかったものです。
趣味はあっても時間を費やすことがなかなか難しく時間が過ぎてきました。
50代は、その忙しい時間帯がようやく解き放たれる時期なのかもしれません。
そして本当にやりたかったことを整理していくことが必要でしょう。
古代中国の思想家である孔子は「五十にして天命を知る」。
人は五十歳で、天から与えられた自分の使命を知るという意味だそうです。
天命を現代風にわかりやすく表現すれば、「自分が本心からやりたいと思っていること」と言えます。
言い換えれば、少数の人を除いて、多くの人は五十歳になるまでは、本当の意味で自分がやりたいことが何なのかを理解できないのかもしれません。
その理由には、さまざまなものがあるのでしょう。
仕事のノルマを達成することに一生懸命になりすぎて、本心からやりたいことを考える余裕などなかったのかもしれません。
部下の面倒を見たり、家族に尽くしたりするのに忙しくて、自分の人生に思いをめぐらせる時間などなかった、という場合もあると思います。
また、周りの期待に応えることに必死で、それが本当に自分がやりたいことに合致しているかを考える暇などなかったのかもしれません。
しかし、五十歳になると、時間的にも精神的にも、ある程度の余裕が出てきます。
ようやく、「自分が本当の意味でやりたいことは何なのか」について考えられるようになるのです。
それが孔子の言う「天命を知る」ことにつながっていくのです。
つまり、五十歳で自分が本心からやりたいと思っていることを理解できれば、後半生を充実したものにできるということです。