イライラが増えたら「感情の老化」を疑う
旅行雑誌などを見ても、若いころほど「ああ、こんなところに行ってみたいな」と思わなくなったり、友だちと遊びに行くのがちょっと億劫になったり、部下や子どもの失敗に対してやたらに腹が立ち、長々と愚痴をこぼしたり。
こんな経験がないだろうか。
心当たりがあるという人は、「感情の老化」を疑ったほうがいいかもしれない。
感情の老化と密接な関係があるのは、脳のなかの前頭葉という部分だ。
ここは意欲や感情をコントロールする働きを受け持っている。
しかし、人間の脳のなかで最初に老化し始めるのが前頭葉で、それも40代ごろから目立ち始めるのだ。
この感情の老化をそのまま放置しておくと、何もやる気が起こらない、何をしてもつまらない、人づき合いも億劫で、不満や不快なことに対して我慢がきかなくなる。
つまり、人生に面白みが感じられず、常にイライラしている人になってしまうということなのだ。
やっと折り返し地点にきたばかりの40代なのに、あとの残り半分をモヤモヤ、イライラした気持ちで過ごすなど、考えただけで恐ろしい。
誰だって無気力で不機嫌な年寄りにはなりたくないだろう。
しかし、「ああ、もうお先真っ暗」と落ち込む必要はない。
世の中には年齢を重ねても、若者以上に旺盛な意欲を持っている人はたくさんいる。
80代にして新しいものをつくり出したり、みずみずしい感性で詩を読む人もいる。
すべての人が感情の老化に冒されるわけではないからだ。
積極的に楽しみや喜びを見つけようとする姿勢が大切なのだ。