「忙しいからこそ遊ぶ」で大いに結構
「仕事が忙しくて遊んでいる暇などない」というのが多くの40代の実感だろう。
たしかに仕事量は増え、業績も求められるのだから、仕事以外の時間の捻出は難しいように思える。
でも、胸に手をあててよく考えてほしい。
本当に仕事が忙しくて時間がないのだろうか。
私の経験上、そんな人に限って、それほど仕事をしていないように思えるのだが。
仕事ができるとは、段取りよく仕事を進めることである。
「仕事が多すぎる」と文句を言いながら、ダラダラ残業するのは仕事ができさない証拠ではないか忙しい仕事の合間にも、遊ぶ時間をつり出す努力をする。
決められた時間のなかで仕事をやり終える能力のある人間が、遊ぶ時間を手に入れられるのだ。
結局、仕事のできる人ほどよく遊ぶわけである。
逆に「遊ぶ時間がない」とぼやいている人は、時間を捻出するのが下手か、その努力をしていないといえるだろう。
自分が抱えている仕事に無駄がないか、総点検してみるといい。
案外、必要のない会議に時間をとられているのではないだろうか。
また、部下に任せてしまえばいいような仕事まで、自分が抱えているのかもしれない。
あるいは、決定を先延ばしにしている決断力のなきが原因かもしれない。
意識して、遊ぶための時間を捻出してみてほしい。
「この時間は遊ぶふために使う」と決めて、仕事が残っていても、その時間がきたら退社するというところから始めてもいいだろう。
時間が狭められれば、仕事の密度も濃くなり、効率もよくなっていくはずだ。
仕事に影響を出さずに遊びの時間がつくり出せるようになるころには、仕事のできる人間に変身しているだろう。
要は、時間のあるなしではなく、本気で遊ばうと思っていないところに、時間を捻出できない原因があるのだ。
人生の先輩としてアドバイスしたいのは、「忙しさを理由にして40代を仕事だけに費やすな」という点だ。
仕事ばかりで40代を過ごした人の多くが、50代、60代になって自分の人間としての幅の狭さ や空虚さに得然とし、後悔しているのを私は見てきた。
忙しい40代だからこそ、好奇心を持っていろいろな遊びに興じてほしい。