笑い者にされても気にしない

自分としては「これは幸せになるためだ」と思って一生懸命になってやっていることでも、周りの人たちからまったく評価されないことがあります。

評価されないどころか、「あんなことをして何の得になるのだろう。何が楽しくてあんなことをしているのだろう」と冷ややかな目を向けられたり、ときには笑い者にされてしまう場合もあるでしょう。

しかし、他人からどう言われようが、笑い者にされようが、自分が信じてやっていることには動じない心を貫いていきましょう。

周りの人が言うことなど、相手にしなければいいのです。

そこで心を乱して怒ったり、気持ちをいら立ててしまえば、それはかえって自分の人生に災いをもたらすことになるでしょう。

 

次のような説話があります。

ある池にカメが棲んでいました。

しかし雨が降らず、池の水が干上がってしまいました。

カメは、このままでは死んでしまいます。

それをかわいそうに思った雁が、一本の枝をくわえて干上がった池へ舞い降りてきて、カメに言いました。

「この枝に噛みついていなさい。そうすれば水のある池まで連れていってあげよう」

カメは言われた通りにしました。

すると雁は、枝をくわえたカメをくちばしの力で持ち上げて、翼を広げて飛び上がり、空を飛んでいきました。

途中、その姿を地上から見た人間が、「あれは何をしているのだ。おかしなことをしているものだ」と笑いました。

自分が笑い者にされたと怒ったカメは、文句を言うために思わず口を開いてしまいました。

そのために地上へ落下して死んでしまいました。

カメは、笑い者にされても、黙って口を閉じていれば、生き延びることができたのです。

人間の人生も同じです。

周りから笑い者にされようと、文句を言わず、黙って自分の信じる生き方を貫けば、幸せな人生を送ることができるでしょう。