話をする前段階、あいさつや返事も、好感度や信頼度を左右する重要な要素です。

朝一番、大きな声ではっきりと「おはようございます!」という人と、うつむきながら、口ごもって「おはよっス」というだけの人やロクにあいさつもしない人とでは、接する態度が変わって当然でしょう。

かといって、設計やプログラミングをしている人が集まった静まりかえった部屋のドアを開けて、いきなりの大声で「こんにちは!」といっても、自分の声がむなしく響くだけのときもあります。

その場にそぐわない「元気ぶり」に誰も反応できず、シラケた空気になることもありますから、これはこれで困ったものです。

TPO【Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)】に合わせた適切なあいさつは、社会人の基本といってもいいのではないでしょうか。

返事もまた同じです。

上の空の相づちのように「心ここにあらず」ではいけませんし、「どんなときでも大きな声を出せばいい」的な返事もうまくありません。

上司から声をかけられたら、瞬時に状況を把握し、周りの人に迷惑でない範囲の大きな声で、はっきりと素早く返事をすること、です。

計算をしているときなど、手の放せない仕事をしているときは、すぐに返事をしてしまったら、中身が吹っ飛んでしまいますね。

そんなときは、すぐには返事できませんが、そのときでも「はい、ちょっと待ってください」と、とりあえず言葉を発するといいでしょう。

そして、区切りがついたら、すぐに上司のところにかけつけすみません、どうしても手が放せなかったもので・・・」

と謝罪すれば、上司も何も不満には思わないものです

上司もまた部下に話しかけられたときは、できるだけしっかりと返事をしたいですね。

「部長!」と呼ばれているのに、すぐに返事をせず、何度か呼ばれて初めて、「ん?」としかめっ面でいうなんてのはもってのほかです。

部下から声をかけられたとき、偉い自分が「はい」と返事をするのは、なんだか間尺に合わないと思っている人が多いようですが、案外、感じのいい返事が、好感度を上げているものなので、「はい」もいいものです。

もちろん、「おう、なんだ?」というようなフレンドリーな返事もいいでしょう。

面倒くさそうにではなく、「おお、どうした?」というように、前のめりで相手の話を聞いてやろうとする姿勢が好印象を与えます。

返事や相づちというちょっとしたことでも、相手に与える印象はかなり違ってきます。

職場や家庭は人生の多くを過ごすところです。

小さなことでも積み重なれば、人間性そのものを映し出すものとして見られてしまうのです。