○○○だからと決めつけに相手はカチンとくる

人の性格はそうそう変わるものではありません。

でも、能力やスキルなどは、刻々と変化していきますし、意欲や向上心といった精神的な面も変わっていくものです。

親がいい大人になったわが子をいつまでも子ども扱いするのは、この変化を理解していないからです。

田舎の母親が東京に住む息子に「ウチの子は甘いモノが好きだから」と、チョコレートやキャンディを米と一緒に送ることがあります。

 

ところが息子のほうは、すっかり酒飲みになっていて、チョコレートの処分に困る・・・

そんな行き違いが生まれます。

新入社員の頃に世話になった上司の下に、十年ぶりに配属されたとします。

上司は、新入社員としての印象が強く、すでに30歳を過ぎた社員に対し、うっかり「お前に、この仕事任せてだいじょうぶかな」などと、いってしまうことがあります。

後輩の面倒を見たり、いまでは一人前以上の仕事をしているビジネスマンに、つい失札なことをいってしまうのです。

親も上司も、自分の物差しで、成長著しい若者をはかろうとしては、いけないのです。

自分の知っている若者は、いまでは「自分の知らない能力を身につけ、知らない経験をして、別人になっている」というくらいに考えておくのが無難です。

親ならば、「大人になっても、まだ甘いモノは好きかい?」と子どもに聞いてみましょう。

 

上司なら、「新入社員のとき以来だから、十年ぶりか。どれだけ成長したか、この仕事で見せてくれよ。期待してるぞ」というくらいのことは、いってみましょう。

また、

「土佐の女なんだから、酒が好きなんだろう?」

「会津人は頑固だからなあ。あんたも融通が利かないんだろ?

」なども、相手を傷つけます。

出身地による傾向はあるでしょうが、それはあくまでも傾向です。

 

「あなたはB型だから、マイペースなのよね。協調性なくて困るのよねえ、B型って」

などというのも傷つけています。

血液型も、性格に影響しているらしいという説も聞きますが、まだ決めつけるほどの研究のレベルではないでしょう。

「次男だから、自由奔放でいいよなあ」というのも、人を傷つけかねません。

よく知らない人には、いうべきではないでしょう。

どうせなら、ほめ言葉で使ってください。

「さすが会津人、根性ありますね」

「いいですねえ、明るくて前向きで。B型の人って、私、好きです」

というように決めつけはよくないけれど、相手をほめるひとつの手段としては、相手が持っている既成概念や偏見を利用するのも、大人の話術です。