「ヌルヌルしたものは精がつく」って本当?

よくヌルヌルした食品は精がつくといわれる。

その例として、ヤマイモ、納豆、オクラ、ウナギ、メカブワカメなどがあげられるが、ヌルヌルした成分は、多くが炭水化物そのものか、タンパク質を含む炭水化物を主とする成分であって、ヌルヌル、ネバネバに共通した特殊な成分が含まれているわけではない。

それよりも、そのヌルヌルをもつ食品には優れた栄養素を持っている食品が多いと考えた方が妥当であろう。

 

たとえば納豆にはナットーキナーゼという酵素が含まれているし、良質のタンパク質が豊富である。

また、ウナギも優れたタンパク質食品である上に、ビタミンAが非常に多量に含まれている。

ヤマイモは、生の状態だと強力なデンプン消化酵素であるアミラーゼを多く含んでいる。

また、オクラはビタミンAの元になるベータ・カロチンが多い。

 

さらに、メカプワカメのヌルヌルはアルギン酸といって食物繊維の成分である。

アルギン酸などの食物繊継は、消化吸収されず、血中に含まれる過剰なコレステロールを腸内に排出させたり、腸内乳酸菌の働きをよくする。

また、食物繊維は便通をよくして腸ガンを防ぐといった働きをもっている。

 

メカブワカメはワカメの株のところであるが、ここにはコンブと同じように血圧降下物質であるラミニン系のものが含まれいて、また、カルシウムを豊富に含む。

カルシウムはイライラを鎮め、血圧を下げる働きをもつ。

このように、ヌルヌル、ネバネバ自体が有用な成分をもっているというより、ヌルヌルした食品が健康に有用なものをもっているというしるしとして考えた方が妥当ではないだろうか。

 

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