○自分の知識やスキルは、まわりから。利用。されてなんぼ
私はかねがね「人脈」というものに対して、少し誤解をしている方が多いように感じていました。
人脈とは名刺交換をしただけで得られるものではありません。
人脈も友人関係と同様、コミュニケーションを密に取っていくなかで醸成させていくものなのです。
このときに忘れてはいけないのは、「人脈には鮮度がある」ということです。
たとえば、どんなに印象深くインパクトがあった人でも、会う頻度が少なかったり、次に会うまでの期間が長かったりすれば、その人は大事な人脈にはなっていきません。
人には「繰り返し接すると好意度や印象度が高まる」という性質があり、それは「単純接触効果」と心理学では呼ばれています。
この「単純接触効果」では、会ったときの「長さ」よりも、会う「頻度」のほうが重要とされています。
これはマーケティングの世界でも使われているテクニックです。
たとえば、テレビのコマーシャルや街で流れるヒット曲もこれと同じで、何度も見たり聞いたりしているうちに「この商品、いいな」「この曲、いいな」と思えてくるのは、この効果が働いているから。
ですから、人脈の鮮度を保つには「頻繁に会う」のが最もシンプルかつ有効な方法なのです。
つまり、本当の人脈をつくるには、ダンバー教授の説を逆に利用して、 「150人→50人→15人」と、相手のダンバー数のなかでの自分の位置を上げていくのです。
まずは名刺交換をして、相手の「150人」のなかに入る。
そして相手と会う頻度を高めて、次のレベルの「50人」に入るまで、お互いのことを知っていく。
さらにプライベートでも会うほど親しくなって、15人に入る。
そうすることで、ようやく相手にとっての重要人物になれるのです。
相手のダンバー数に入り、自分の重要度を上げていくためには、やはり頻繁に会って鮮度を新鮮に保っていくのがカギになるでしょう。
そして、ここが重要なのですが、いい人脈をつくりたいのであれば、「相手にたくさん利用されよう」と思うことです。
40代ともなれば、さまざまな知識やスキルを持っています。
それをまわりから利用されてなんぼ、なのです。
利用価値のある人間にならなければならないと考えましょう。
人脈を「利用できる人材探し」だと思っている人がいますが、私はそうは思いません。
「利用してくれる人材探し」だと思います。
そして人脈を醸成させるためには、まず自分が相手にとって有用な人材にならなければならないのです。
とくに40代は、そういう人材にならなければいけないと思います。