他人の人生を「うらやましい」と思わない

自分は自分、他人は他人です。

しかし往々にして、「他人の人生をうらやましい」と思う気持ちから、心が乱れ、自分の人生を見失って、みずから不幸を招いてしまうケースもあるようです。

 

ある若い男性の話を例として挙げます。

彼は30代後半ですが、すでに6回も転職しました。

そのあげくに、再就職する会社がなくなって、今はアルバイトで生活をしています。

彼は、友人や知りあいから「自分よりも給料の高い会社で働いている」「自分が担当する仕事よりも、やりがいがありそうな仕事をしている」「自分よりも、いい上司、いい同僚に恵まれている」といった話を聞くたび、「他人の会社がうらやましい」という。

気持ちを抑えられなくなってしまいます。

その結果、衝動的に働いている会社に辞表を出して、新しい再就職先を探すことになるのです。

とはいえ、景気が低迷している現在、そうそう条件の整った会社はありません。

新しく就職した会社にも満足できず、また他人が働く会社がうらやましくなり、6回も転職を繰り返しました。

今も再就職先を探しているのですが、年齢が40歳近くなり、雇ってくれる会社もなくなりました。

また、6回も転職を繰り返していることが、相手先の会社の人事担当者に不信感を与えてしまっているらしく、毎回面接ではねられてしまうそうです。

結局、現在のアルバイトで得る給料は、最初に入った会社の初任給の半分、仕事もやりがいのないものだと言うのです。

 

下手に他人の人生をうらやましく思うのはやめ、「自分は自分、他人は他人」と、割り切って考えることで、気持ちが揺らがない心が身につきます。

転職することがすべて悪いとは言いませんが、自分の人生をじっくりと見つめ、要をすえて生きていくことが、幸せを手に入れるために大切なのではないでしょうか。