免疫力が下がると食あたりを起こす!
なぜ食あたりを起こす人と起こさない人がいるのかを考えてみたい。
食あたりの原因の大半は食品に混入した細菌。
魚介類には腸炎ピブリオ、肉類にはサルモネラ菌、鶏肉や 牛レバーなどにはカンピロバクターといった食中毒の原因菌が含まれる。
温度や湿度といった環境次第でこれらの原因菌が億単位くらいまで増殖すると食あたりが発生しやすくなる。
食あたりを起こすと下痢、嘔吐、発熱などの症状がでるが、これは免疫の前段階で病原体を排除しようとする生体の防衛反応。
唾液や胃酸には殺菌作用があるが、病原体の数が増えすぎるとすべてを殺すことはできない。
しかも、なかには0-157 (腸管出血性大腸菌)のように胃酸に強く100個程度でも症状が出る強敵もいる。
そこで胃で異常を感知したら、その先に異物が行かないように嘔吐して吐き出すし、胃を通過した異物はさっさと体外に出すために蠕動運動を速めて下痢を起こすのだ。
また発熱は、熱の力で病原体の活力を下げて、症状を軽くする作用がある。
そして最後の砦が腸管免疫。
パイエル板で作られた免疫グロブリンAが病原体を排除する。
高齢者や子どもは嘔吐などの防御反応も不十分なうえに、免疫力も低いから食あたりに弱くなる。
しかし原因菌には、赤痢菌のようにパイエル板に異物を取り込むM細胞の働きに便乗して体内に侵入しようとする病原体もある。
いずれにしても普段から腸管免疫力を高める生活を心がけたいものだ。