貝の食品の安全性を選ぶなら、国内産を選ぶのが良い
そして洗い方でより安全に食することができます。
砂抜きで、汚染物質をとり除く
輸入ものが一年中出回っていますが、国内産の貝のほうがいくらか不安は少ないでしょう。
なかでも旬のものを選べば安心。
アサリの旬は晩秋から春先。
シジミは一年中ですが、寒シジミが一番よいでしょう。
ハマグリは十~三月。
カキの旬は十一~二月。
下ごしらえをしっかりすれば、さらに安心度は高まります。
まず、砂抜き。
アサリやハマグリは海に住む貝なので、海水程度の塩水に一晩つけます。
塩分三バーセント。
なめてみるとしょっぱく感じるぐらいの塩辛さです。
シジミは淡水、あるいは淡水と海水が混じり合ったところに住んでいますから、こちらは真水に一晩つけます。
どちらの貝も、静かで薄暗い所に貝をおいてリラックスさせると、呼吸しながら砂を吐きます。
そのとき、貝の中にたまった
汚染物質も一緒に吐きだされるのです。
貝は意外に汚れているので、よく洗いましょう。
砂抜きが終わったら、水道の水を流しながら、貝をいくつか手にとって、こすり合わせて洗います。
むき身の場合は、ザルに入れて塩少々をふり、ボウルの中でふり洗い。
これで汚染物質を減らせます。
アオヤギなどを刺身にするときは、ザルに入れて鍋の中の熱湯にとおし、すぐに冷水につけて冷まします。
よく水気を切ること。
汚染物質がお湯の中に溶けだして安心です。
カキは内湾養殖のため、
さまざまな汚染物質がたまっていることが多いのですが
昔ながらのだいこんおろしで洗うやり方で、
この不安をとり除くことができます。
たっぷりのだいこんおろしの中にカキを入れてかき混ぜ、ザルに上げます。
ボウルの中に水を流し入れながら、ザルを二~三回ふり洗い。
こうして、汚れただいこんおろしを流してしまえば安心です。
この方法は、むき身のアサリやシジミにも応用できます。
だいこんおろしは、汚染物質を引きだす力がとても強いのです。
古くから伝わる料理の知恵には脱帽です。
貝料理の中でも、もっとも安心なのは酢の物。
下ごしらえは、割酢(酢を水で倍に薄めたもの)で酢洗い。
そのあと、本格的に酢のものをつくります。
食べるときに、酢は飲まないこと。
酢の中に汚染物質が溶けだしているかもしれません。