「話の内容」よりも「話し方」で評価が決まる
相手との初対面のとき、それは仕事関係の人であれ、就職の面接であれ、男女の合コンであれ、私たちは「何を話すべきか」ということがとても重要なことと思いがちです。
とくに面接や合コンは、一回勝負がほとんどですから、「気の利いたこと」「立派なこと」「おしゃれなこと」などをいわなければならないと、気合も入ります。
ところが、ある調査によると、第一印象の「いい感じ」「イヤな感じ」ということに、ついていえば、「何を話したか」ということは、さほど重要ではないのです。
初対面の人同士が、何を手がかりに相手の第一印象を感じているかといえば、
1=容姿、服のセンスなどの「ばっと見たときの外見」
2 =「しぐさや表情などを含めた、話すときの雰囲気」
と続き、「会話の内容」は、それほど強い印象としては残らないということです。
相手が自分に対して持つ印象は「何を話したか」よりも「話すときの雰囲気」によってほぼ決まってしまう、そういうことになります。
実際の話、私たちは何気ない会話をしながらでも、相手の表情、話し方や声質から、
「こんなふうにわかりやすく説明できるとは、この人はとても頭のいい人だなあ」
「早口でせっかちな話し方をする人だなあ。落ち着きのない性格なのかもしれない」
などとその人の能力や性格まで読み取っているものです。
そのくせ、会話の内容は
「うろ覚え」で、一晩寝ると、「何か、そんな話をしたけれど、結論はどうだったかな」
というぐらいに忘れていることもあります。
また、嫌いな上司に怒られたときには、その上司の怒鳴り声と形相だけが印象に残っていて、「何を注意されたのか」その内容はよく覚えていないという経験もあるでしょう。
これはおそらく、1や2は「感覚として受け入れるもの」であり、自分の目や耳からなんの抵抗もなくインプットされます。
ところが、「話す内容」というのは、それを理解するためには自分の脳みそを働かせなければなりません。
そのぶん、エネルギーも必要になりますし、相手の話にうなずいたり合いの手を入れたりしながらも、無意識のうちにも「面倒なこと」と思って拒否していることもあるのでしょう。
それが、「話す内容」は、あまり印象に残らない理由のようにも思います。