「上司という立場」が自分を成長させる
管理職になると、仕事は増えるし、部下の面倒も見なければならないうえに、いざとなれば責任を問われる。
気苦労ばかりが多くて、たいして給料が増えるわけではない。
そんな割が合わない管理職などになりたくないと言う人が多くなっていると聞く。
たしかに、責任もなく、人の言うとおりに仕事をして給料がもらえればラクかもしれない。
しかし、そこには大切なものが欠けているように思える。
それは成長だ。
「やることが多くて大変だから」「責任を負うのは嫌だ」「面倒なことが増える」「気苦労が絶えない」といった理由で現状維持のままなら、自分のことさえ考えていればいい子どもと同じ状態である。
上に立つ経験をするというのは、未熟な後輩のため、自分以外の人間のために行動するということだろう。
自分以外の人間の責任を負い、思い通りに動かない仲間を辛抱強くまとめあげ、困難な問題に立ち向かって業績をあげる。
そんな経験は、人としての器を大きくするし、深みを与えてくれるに違いない。
苦労を避けてラクな道を歩み、成長を止めた状態のままの人間と、困難を経験してひとまわり大きく成長した人間の10年後、さらに、その先の人生がどのようなものになっていくかは、想像に難くないだろう。
人間の心理のなかには、「成長したい」という欲求があるものだ。
成長を促してくれる絶好のチャンスが訪れたら、果敢にチャレンジしてほしい。
つらいことや苦しいことも多いが、それ以上に嬉しいこともやりがいもあるはずだ。
人間は成長し続けてこそ、満足のいく生活が送れるのである。