「あれ?いつからいたの?」が相手を落ち込ませる

お笑いで活躍中の、元ホストのヒロシさんは、自分のグチを集め、独特のスタイルで語る自虐ネタが得意です。

ネタのひとつに、正確ではないかもしれませんが、こんな感じのものがあります。

「いつからいたの?っていわれましたが、最初からいたとです」

笑いを説明するのはナンセンスですが解説しますと、状況はおそらく若い男女が集まってお酒を飲んだりしながら楽しんでいるとき、ふと女性に「あれ、いつ来たの?」といわれ、自分の存在感のなさに落胆したということです。

ヒロシさんはネタにしていますが、こういう発言は実際にもよくあると思います。

「あんた、いたんだ?」「あの人、来てたっけ?」と、人の自尊心を平気で傷つけるものの言い方をする人をよく見かけます。

 

人は自分の存在を認めてほしいものです。

おとなしくて、隅に引っ込んでいるような人でも、「私はここにいます!」と心の中で叫んでいます。

出しゃばる気はないけれど存在は認めてほしい、そう考えている人が大半ではないでしょうか。

組織の中心にいる人、上に立つ人、目立っている人は、そういう人にこそ、

「あなたにはいつも助けてもらっています」

「なんだか私ばっかり、おいしいところを持っていってすみませんね」

といった心づかいの言葉を投げかけてほしいものです。

「地味な存在の私を見てくれている人がいる」と、思ってもらうことは、誰にとっても不利益にはなりません。

 

これに通ずる話としては、いつも残業で遅いご主人が早く帰ってきたとき、

「もう帰ってきたの?外で食べてくるかと思ったから、ご飯ないわよ」

というやりとりも、ご主人の存在を無視しているように受け取られます。

ふだんから自分には存在感がないと思っている人ほど、はっきりと指摘されたときには、とても傷つくのです。

おそらく、「私だって、本当はいつだって早く帰りたかとです」と、自虐ネタをつぶやいているように思うのですが。