「立つ、歩く、のぼる」だけで肉体は若くなる!

いくら運動が体にいいと言っても、50代はその時間を十分に確保できない。

あるいは、そう思えてしまうだけの忙しさや責任感が、疲れた体に覆いかぶさってくる。

それをはねのけて、運動するのは、いかにもハードルが高い。

 

そこで、50代には「日常生活のこまめな動き」をオススメしたい。

非運動熱産生とも呼ばれている。

こまめな動きとは、立ち上がる、歩く、家事をする、階段をのぼることだ。

よく、健康の心がけについて語る医師の本に「駅などでエレベーターを使わずに階段をのぼる、電車のなかで座らずに立つ、歩くときは大またで歩く、拭き掃除など家事をしっかりやること」と書かれているだろう。

これらはすべて「日常生活のこまめな動き」である。

じつは、1日に消費するエネルギー総量のうち、こうした日常生活で消費するエネルギーが約25~30%にも及ぶ。

一方、食事、消化、吸収などに使うエネルギーは約10%でしかない。

つまり、日常的にコッコッと細かな動きを積み重ねることにより、意外なほどエネルギーを消費しているのだ。

 

ある研究によると、1日中座りっ放しで動かない人に比べ、「日常生活のこまめな動き」を活発に行なっている人は、エネルギー消費量が1日平均で約350キロカロリーも高いと言われている。

これを1週間に換算すると2450キロカロリーとなり、なんとフルマラソン1回分に相当するのだ。

そして1年では、なんと体重15キロ分にもなる。

毎日生活していても、重力に抗(あらが)って生きている。

だから、こまめな日常動作でエネルギーを消費するのが、最も効率的なのだ。

 

何も特別な運動を行なわなくとも、日常動作を楽しみながら行なえばいい。

駅の階段をのぼるとき、これでエネルギーを消費できると前向きに考える。

家事の手伝いを頼まれ、風呂掃除をするときも、これでやせられると、面倒くさがらずに率先して行なう。

それだけでも、ずいぶん体に変化が現れるはずだ。