ミネラル不足が不調の原因?

栄養素の代謝に欠かせないのがビタミン。

これが東の横綱だとしたら、西の横綱は何といってもミネラルでしょう。

ミネラルといってもビタミン同様、実にさまざま。

誰もがよく知っているカルシウムを筆頭に、ナトリウム、マグネシウム、鉄分、リン、亜鉛、銅、カリウムなどがあげられます。

 

こうしたミネラルの成分は身体の調整役とされ、不足すると骨粗毅症をはじめ、副甲状腺腫大、神経過敏、貧血、免疫力の低下、ひいては肩こり・腰痛といった疲れの症状を引き起こしやすくなりますが、最新の厚生労働省の「国民健康·栄養調査」によると、これも摂取不足が指摘されています。

ちなみに、ミネラルを含んだ食材は乳製品、鶏や豚肉などのレバー、大豆、芋類、カキや干しエビ、スルメなどの魚介類、アーモンドやカシューナッツなどの木の実など。

どれも日々の食生活に馴染み深いものばかりです。

にもかかわらず、なぜ不足してしまうのか。

 

その主な理由は、第一に水溶性成分が溶出する「水煮」を主な調理法とする食品が多いこと。

第二に原材料の多くが精製されることでミネラルを抜かれること。

第三に食品添加物(リン酸塩)が多用され、ミネラルの吸収を阻害している点などをあげることができます。

そのため、食材を調理するときは、水溶性成分が溶出しないように必要以上に洗ったり、茄でたりするのは控えるようにしましょう。

また、できることなら精製されていない米(玄米)、小麦粉(全粒粉)、砂糖(黒砂糖)などを多くとるようにしてください。

さらにまた、食品添加物、とくにリン酸塩が多く含まれる加工食品もできるだけ控えたほうが無難です。

 

少し専門的な話になりますが、リン酸塩もミネラルの一種。

しかし、必要以上にとり過ぎると、同胞のカルシウムの吸収を妨げてしまうことになります。

そこで、加工食品を多く食べるときにはあわせてカルシウムの多い食材、たとえば乳製品をはじめ、骨ごと食べる魚や殻のついたエビ、モロヘイヤやコマッナといった緑黄色野菜などを積極的にとるようにするといいでしょう。

 

●ミネラルの役割と1日に必要な量とは?

カルシウム

骨や歯の形成、筋肉や神経の活動、血液の凝固など

男性(600mg)・女性(600mg)

マグネシウム

精神安定、骨の形成、 筋肉や心臓の働き(血圧)を正常化する

|男性(320mg)・女性(260mg)

カリウム

代謝促進、生理機能の正常化、血圧を下げる作用、タンパク質の合成など

男性(2,500mg)・女性(2,000mg)

ナトリウム

体液バランスの維持、 代謝促進、神経のコントロールなど

男性(600mg)・女性(600mg)

血液中の酵素の運搬、貧血予防(赤血球の材料)

男性(10mg)・女性(12mg)

リン

骨や歯の形成、エネルギーを生み出す

男性(1,000mg)・女性(900mg)

亜鉛

代謝調整、インスリンの材料、生殖腺ホルモン活動の正常化など

女性(10mg)・男性(12mg)