仕事をすべてかかえず任せることでゆとりをもつことが大切である!

 

いかに能力があると自負する人でも、一人でできる仕事には限界がある。

まして、ふつうの人は、他人に仕事の一部をまかせなければ仕事が進まない。

では、たとえば部下に仕事をまかせる場合、ポイントはどこにあるのだろうか。

 

一つは「まかせきる」ことである。

たとえ仕事ぶりに不足があっても、まかせた以上は途中でロをはさまないようにしよう。

「まだそんなことやっているのか。オレがやったほうが」というセリフはロが裂けても吐かないこと。

とにかく見守る姿勢を崩さないことだ。

 

アドバイスが必要な場合は、部下が仕事を一段落させるのを待つ。

もう一つは、仕事が完了したら、ほめることである。

思うような成果があがらなかったとしても、「ここはよくできてるじゃないか。ただ、この部分はもう少し別の方向から検討してみたらどうだ?」という具合に、「ほめ」とアドバイス(指示)をミックスさせるのがいい。

それでこそ部下も伸びるというものだ。

人にまかせるのは、自分も相手も元気になるため。

爽快なまかせ方を工夫しよう。

 

意外なこともある!期待はずれを見越して頼むことも視野にいれておこう

まかせる、まかせられるという人間関係の基本は、互いの信頼だろう。

「全幅の信頼においている」といった言 い方は、相手に対する最高の賛辞である。

しかし、現実には人を100パーセント信頼することは難しいし、人からの信頼に完壁に応えるのも無理だ。

仕事のために友情を少し犠性にすることもあるだろうし、信頼していた相手が自己保身のために、あなたを裏切ることもないとはいえない。

相手を100パーセント信頼して期待していた場合、そんな時に感じるのは「喪失」だ。

この喪失感は、鬱の引き金になる。

「信じていた自分がばかだった」という気分から、無力感に襲われるのである。

だから、信頼関係でも80パーセント主義がいい。

「裏切られたり失望させられることもたまにはあるさ」と折り込みずみなら、喪失感もやわらぐというものだ。

期待はずれともうまく折り合っていけるのである。

だいたい、「100パーセントの信頼」と言うと聞こえはいいが、実のところ、互いに手かせ足かせをはめ合っているようなもの。

息苦しいこと、この上ないのである。