天ぷらを食べるとき、体にいいのは塩?それとも天つゆに大根おろし?

日本人にとって大根おろしは昔から親しんできた、料理の大切な名脇役である。

大根おろしはてんぷらのつゆに加えたり、サンマなど背の青い魚の塩焼きにたっぷり添えたり、揚げだし豆腐のだしの中に入れたりする。

なぜ、大根おろしがこのように幅広く用いられるのだろうか。

 

大根おろしにはビタミンCが多く含まれている。

このビタミンCは油の酸化を防止するだけでなく、酸化した油を元に戻す、いわゆる還元という作用をもっている。

その力は非常に強力なものである。

酸化した油が体によくないということはよく知られている。

たとえば、酸化した脂肪分をかなりの量とると、肝臓に大きな負担がかかり、その解毒もなかなかできない。

そこで酸化した油をできるだけ食べないような工夫が必要である。

その工夫の一つが大根おろしをたっぷり使用することなのである。

 

てんぷらを食塩だけで食べた場合、後で胸焼けが起こったりすることがしばしばある。

これは酸化した油を多量に摂取したため、起こるのである。

反対に、天つゆに入れた大根おろしをたっぷりつけて食べれば、このようなことは起こりにくい。

その理由は、大根おろしの中のビタミンCがてんぷらの油の酸化を元に戻すからである。

 

また、から揚げなどにした魚を大根おろしを加えた和え酢に浸しておくと、時間とともに増えていく酸化した油の量を抑える働きがある。

油は通常の状態でおかれている場合はかなり安定しているが、これをいったん加熱すると非常に酸化しやすい状態に変化する。

とくにてんぷらやフライ、また、焼き魚などは油がいったん加熱されたのち、空気中にさらされると、急速に油の酸化が起こる。

これは加熱により、油の中の酸化防止成分が消耗するとともに、空気に触れてその中の酸素によって油が急速に酸化していくためである。

その速さはかなりのもので、揚げたてのとんかつの表面の脂肪は、15分後にはかなり目立つほどの酸化が進んでいることが実験的に判明している。

 

このような料理には、大根おろしをたっぷりつけることで酸化した油を元に戻すことができる。

このように昔からの食習慣には意外とプラスの理由が含まれているのだ。

 

なお、油揚げのように、いったん揚げてからかなりの時間おかれる食品においては、油の酸化が激しいので、使用する前に、必ず熱湯をかけるか、熱湯で軽く者煮て、表面の酸化した油を除いてから使用することが大切である。

酸化した油は粘性が強いために、熱湯のような温度の高い水でないと、除くことができにくい。

これは健康面だけでなく味の面でも大きくマイナスになる。

酸化した油はペンキのような臭いがあって、食欲を低下させるからである。