1日15分「歩く習慣」で寿命は確実に延びる

よい食習慣はそのまま継続しつつ、無理なく健康を維持するには、運動が必要になる。

私たちの体は、バランスのよい食事を摂ることで、細胞内のミトコンドリアによるクエン酸回路(TCA回路)が正常に機能する。

そして、エネルギーをつくり出すとともに、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる、体内でのエネルギ1の利用や保存に関する働きを持つ分子が活発に再生される。

わかりやすく言えば、人の体は、細胞を修復する成分を自身でつくり出すことができるのだ。

 

しかし、肉体が老化すると、このミトコンドリアによる細胞の修復機能が低下し、体に有害な活性酸素の量が増えてしまう。

運動によって筋肉を強化すれば、ミトコンドリアの働きをよくすることはできる。

運動の最大の効果は、体に溜まった老廃物の除去を早くし、いつも新鮮な細胞にメンテナンスできることだ。

最も健康にいいのは、1日15分程度、適度な運動をすることである。

そうすると、ミトコンドリアが体脂肪を燃焼して、ポッコリとしたお腹が凹んでくる。

「適度な運動」とは、ウォーキングや速歩、ゆるくジョギングする程度である。

 

運動を軽く行なうことで死亡リスクが低下し、寿命が延びるとされている。

しかも、適度な運動から徐々にちょっときつめの運動に切り替えていくことにより、体内の抗酸化作用を持つ酵素が活性化され、ミトコンドリアによる修復機能も好転して、活性酸素の発生が少ない体内環境となるのだ。

人は本来、あまりにも刺激のない生活を送っていると、「生命の危機」を感じないため、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)が機能しなくなる。

そこで、適度なきつさで負荷をかけることで、長寿遺伝子が刺激され、目覚めるわけである。

適度に負荷をかけたほうが体は活性化する。

そして、運動するとBDNF (脳由来神経栄養因子)が増え、脳内の記憶をつかさどる海馬の細胞分裂を促進させて、記憶量もアップする。

仕事の集中力や発想力が上がり、仕事を片づける効率も上昇していく。

さらに、認知症の予防にもなるのだ。