「理想的なおやじ」になる生き方

50代からは、健康に加えて、「ごきげん」であることも大切だ。

いつも笑顔で、人に感謝することを忘れない。

そういう人の周囲には、自然と人が集まり、その結果、情報が集まることになる。

ところが、年を重ねるにしたがい、笑顔を失っていく人も少なくない。

 

実際、多くのおやじたちが一日中、しかめっ面をして、仕事をしている。

ちょっとしたことで、怒りやすくなるのは、加齢とともに副交感神経が低下するからだ。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、どちらか一方に過度に傾いても病気になりやすくなる。

ストレスの多い現代社会では、どうしても交感神経優位に傾きがちだ。

 

仕事のストレスが過度に続くと交感神経が優位になり、不機嫌で、怒っぽくなり、笑顔が消えていく。

その結果、瞳孔が拡大し、心臓の拍動が速くなり、血管が収縮して血圧を上げてしまう。

仕事のストレスでイライラや緊張が続いたら、深呼吸や歩いたり体を動かしたりして、副交感神経優位にサッと切り替えよう。

笑顔でいることは、体にとって何よりもいい刺激を与える。

副交感神経が優位となり、血流が改善し、血圧も低下する。

血糖値も低下する。

また、ウィルスなどに対する抵抗力を高めるインターフェロンというタンパク質を増加させるため、がんのリスクを低下させる。

また、認知症に対する予防効果まであるとされる。

 

副交感神経を簡単に高める方法として、あきらめる事。

一度、冷静になって、敗因を分析することで、新たなチャレンジの道が開ける。

あきらめることは、自分に負けることではない。

むしろ、「あきらめる勇気」を持つことで、気持ちの切り替えが早くできるのだ。

50代になると副交感神経が低下して、なかなかあきらめがつかなくなる。

いつまでも、くやしい、つらい、困ったというネガティブな感情に支配されてしまうと、交感神経優位になって自分の健康を害してしまう。

そのときこそ、「あきらめる勇気」を持ち、気持ちを切り替えるのだ。

 

そう言えば、私自身も5年前、糖尿病とその合併症が発覚したとき、何とか元の生活に戻れないか、まだやることがいっぱいある、という「あきらめられない」気持ちにとらわれていた。

だが、現実には体調が優れず、とても仕事を再開する状態ではなかった。

しかし、糖質制限という食事療法に出合い、健康を取り戻すことができた。

無意識のうちに自分自身のこれまでの生活を「あきらめ」、生活習慣を改善して、新しい自分に生まれ変わろうと思ったのである。

 

できるかぎり努力しても、思うような結果が出ないときや、つらい結果が出たときには、いつまでもそのことにとらわれていないで、さっさとあきらめ、冷静になって、次に備える。

現実はシビアにとらえるが、解釈をボジティブにするのが、「ごきげん」 をつくるコツである。