がん・心筋梗塞・脳卒中を防ぐ「ビタミンACE」
日本人の死因のワースト3は、①がん、②心筋梗塞、③脳卒中だ。
そして、これらすべてに影響を及ぼしているのが「活性酸素」である。
活性酸素は、人が酸素を吸って生きる副産物として発生する。
エネルギーを代謝する際にその余った活性酸素が、骨や血管、脳などの細胞を傷つけ、血管障害やがんの発症などを引き起こすことになる。
だから、活性酸素が発生するのを極力防ぐことが健康のカギを握ると言える。
では、活性酸素の発生を防ぐには、どうすればいいのだろうか。
活性酸素を発生させる一番の原因は、過食、つまり食べすぎだ。
とくに過食によって多くの糖質が体内に入ると、タンパク質を糖化し、最終糖化産物を形成する。
これを「メイラード反応」という。
メイラード反応により、活性酸素が発生しやすい状態になるのである。
したがって、食べすぎと糖質の過剰な摂取を抑えれば、活性酸素は発生しにくくなる。
まずは糖質制限をして、活性酸素発生の原因となる糖質の過剰摂取を抑えることが重要である。
それでも、ストレスを受けると、私たちの体内には大量の活性酸素が発生する。
そのとき、防御反応として、この活性酸素を消去してくれる「抗酸化物質」がビタミンCだ。
それだけでなく、糖代謝や脂質代謝を促進させる働きを持ち、また、コラーゲンの生成を促して血管壁を強化してくれる。
ビタミンCは、まさに一人三役の働きをしてくれる貴重なビタミンなのだ。
ビタミンCは、ストレスを受けると大量に消費されてしまううえ、老化と密接な関係があり、加齢とともに体内の量が減ることがわかっている。
だから、つねに不足しないよう、貯蓄を心がけておかねばならな い。
ビタミンCは、イチゴやキウイ、みかん、レモンなどのかんきつ類、ピーマン、そしてジャガイモなどに豊富に含まれている。
まず、これらの食品を日常的に食べて、加齢やストレスで不足しがちになるビタミンCを補給しておくことだ。
ビタミンCの理想的な摂取量は1日300~500mgと言われている。
通常の食事では100mg程度だから、その3倍は摂る必要がある。
ならば、ビタミン Cをサプリメントなどで一度に大量摂取し貯蓄しておこうとしてもそうはいかない。
余分な最が尿となって排出されてしまうからだ。
また、ストレスによって発生する活性酸素の除去には、ビタミンCのほかに、緑黄色野菜や、果物の柿、みかんなどに豊富に含まれているビタミンAと、うなぎ、たらこ、かぼちゃ、ナッツ類に含まれているビタミン Eも重要な働きをする。
食事の際は、ビタミンAとビタミンEもこまめに摂ることが、さらにビタミンCの働きを助けるのだ。
これらの抗酸化物質は「ビタミン ACE」と呼ばれ、非常に覚えやすい。
食品だけではすべて摂りきれないので、「マルチビタミン」と呼ばれる、すベてのビタミン成分が入った市販のサプリメントを補助的に飲むのもおすすめである。
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