ウマが合わない人とは、必要がないならあまり親しくつき合わないに越したことはない。
しかし、世の中そうもいかない。
ウマの合わない人が上司だったり、同僚だったりして、毎日つき合う必要にせまられる。
だから、ストレスがたまる。
ウマの合わない人と上手につき合うにはどうしたらいいか。
まず、避けなくてはならないのは、自分の考えを相手にわからせようとすることである。
ふたりの考えはまるっきり違う。
その違いに気づいたとき、どうしてもあなたは、「自分はこう思う」といいたくなる。
そして、議論しているうちに、だんだんと「自分は絶対に正しい」という論調になってくる。
あなたにとっては、あなたの思っていることが正しい。
相手にとっても、相手の思っていることが正しい。
すると、互いに相手の考えを否定したくなる。
相手の考えを正しいと認めてしまうと、自分の考えが成り立たなくなるような気がする。
実際、正反対の考えとはそういうものだ。
両方正しいではすまされない。
磁石のNとSは、離れた場所でなら両立できても、近づけて置いておけない。
そこで、どちらも自分の「正しさ」を証明しようと躍起(やっき:あせってむきになる)になる。
これが始まってしまったら、互いに認め合って、仲良くなるのはむずかしい。
互いの考えを話し合うことが、理解への第一歩にならず、否定への第一歩となってしまうのである。
こんなときは、やはり、自分の「正しさ」から一歩引くしかないだろう。
人とのコミュニケーションで大切なことは、「論理よりも感情」だからだ。
もしあなたが、議論がヘタだと嘆くなら、「ごもっとも、しかし」流儀でいくことをすすめたい。
一度、相手の考えを引き取り、それからおもむろに、やんわりと自分の考えを主張するのだ。
「それは正しくない」とか「ダメだ」というより、まず「ごもっとも」と出れば、相手もホッとする。
そのあと、「しかし・・・」と反撃するのである。