心が弱ってくると、マイナス情報だけを信じる
だれでも病気になると、マイナス情報ばかりに気持ちを奪われるようになる。
医者が
「すぐよくなります」
といっても、
「あの医者、やけに自信なさそうな表情で、私と目も合わそうとしなかった。 本当は深刻な病気なんじゃないか」
と疑心暗鬼になる。
これは精神的なバランスが悪くなっているからだ。
健康な人は、たとえマイナス情報を感じ取ったとしても、プラス情報と天秤(てんびん)にかけながら、どちらが信憑性(しんぴょうせい)のある情報なのか客観的に判断できる。
実際、病人のそばにいる人は
「お医者さんに太鼓判を押してもらって、よかったわねえ。心配ないょ」
と、偏りのない判断ができる。
しかし病人は
「こいつまで嘘をいって、自自分をだまそうとしている」
と疑いの目を向ける。
これは、「病気」ばかりではない。
人間関係がうまくゆかないとき、だれかと口論となって散々やりこめられたとき、挫折したとき、不運に見舞われたとき、そういった苦しい状況にあるときは、私たちの心は知らず知らずのうちにマイナス情報のほうに向いているのだから、できるだけ自分にプラス情報を吹き込むように意識してほしい。
「これもいい勉強だ」
「悪いことがあればいいこともある。順番から いえば、次はいいことが起こる番だ」
「人生を見つめ直す、いいきっかけだ」
と。
いいほうへ考えれば、必ずいい方向へと揺れ戻しもする。
これが「くるたのしい」だ。
現実が苦しいからこそ、気持ちは楽しいほうへと持ってゆく。