下痢のとき、食べていい果物は?どれ
思わぬときに下痢をすることがある。
とくに何かよくない食べ物を食べたわけでもなく寝冷えしたのでもないときにかかるのは、ウイルス性の下痢である。
夏風邪、プール熱などともいわれるが、夏の下痢の中にはこうい ったものが多く見られる。
このようなとき、子どもでは、脱水症状を起こして重症になることもあるから注意が必要だ。
また、このようなウイルス性の下痢の回復期には、食べ物の選択が重要である。
下痢の症状を促進するようなものは控える必要があるし、反対に、状態を改善するような食べ物は積極的に利用することが大切である。
下痢の状態を悪化させるものとしては、クエン酸がある。
これは、柑橘類に含まれている酸で、酢などに含まれている酢酸とは違い、下痢の治りを悪くする。
クエン酸が腸などの炎症によくないのは、酸の刺激が強いからだ。
便通のよくない人がグレープフルーツなどクエン酸が多量に含まれている果物を朝食前の空腹時に食べると、便通がよくなる効果があるのも、クエン酸が腸などに対して刺激的に働くからである。
それだけに、下痢のときには、あまり好ましくない食品である。
反対に、下痢に非常によいのがペクチンである。
ペクチンは、ニンジンやリンゴに含まれている水に溶ける物質で、抽出して酸と砂糖を加えて加熱し、冷やすと、固まってゼリー状になる。
この成分は、ウイルスによって炎症を起こしている腸などの消化器の粘膜を保護して、他からの刺激を少なくし、症状がより悪くなるのを防止する働きがある。
ただし、ペクチンが下痢によいからといって生で食べては、消化器に対する刺激が大きく、効果は少ない。
必ず煮るなどして、柔らかいペースト状にすることが必要である。
その点では、ベビーフードのニンジンやリンゴのペーストが適当である。
ベビーフードは量が少なく割高のようであるが、腸の炎症の回復期のように、あまり多量に食べられない場合には、ニンジンやリンゴを少しずつ煮るなどの手間がいらないので、大変便利である。