若々しく魅力ある高齢者になるためには次の条件が伴う

① 人には個人差があり、同じ60代、70代でも、若々しい人、老け込む人気では大いに異なる。心身ともに若々しく、できるだけ長く元気でいたい。

② 肉体的な衰えはだれも避けられないが、精神的には老化を防ぎ、成長することができる。

そのためには、何か「価値ある目標」をもって、打ち込むことが大切である。

③ 価値ある目標とは、仕事の場合もあれば、ボランティア活動や趣味の場合もある。

④ ボランティア活動や趣味を生きがい(価値ある目標)とする人は、 それらを成り立たせるものとして、仕事を位置づける場合もある。

⑤ 価値ある目標をもっている人は、精神的にも若々しく、柔軟性もあり、魅力的である。つまり、老害というようなことで人に嫌われることも少ない。

⑥ 以上のような精神的に若々しく魅力ある老人になるためには、50代からの過ごし方が大いに関係してくる。

 

では、「どのような過ごし方を心がければよいか」ということになるが、たとえば老後の三大課題で、やはり何といっても先立つものはカネだということが分かったとしても、経済的にはどれだけあったら安心して暮らせるかということ一つをとっても、いくらあればいい、という結論は出ない。

しかし、それではあまりに抽象的だという方のために、だいたいの目安を示すと、ある保険会社の試算によれば、ごく普通に安心できる生活を送るためには「夫婦二人で家賃を除き月々37万円程度必要」なのだそうだ。

業界を代表する大企業では、定年までしっかり年金をかけていると、だいたいこの線、またはそれ以上の年金がもらえる、という話を聞いたことがある。

中堅以下の企業だと、この線は難しく、月々約20万円であるといわれているから、ゆとりのある生活までは15万~17万円ほど足りないことになる。

その場合は、いろいろと策を講じなければならないだろう。

 

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好きなことをして人の役に立つ

だが、視点を変えれば、月15万円をかせぐのはそう難しいことではない。

アルバイトでもなんとか、かせげる金額である。

それに、60歳から65歳までは、一定以上の所得があると年金がもらえなくなるシステムもあるから、この点については、専門家によく相談したほうがよいだろう。

いずれにしても、二人でゆったり暮らせるだけの収入を確保することは、それほど難しいことではないはずだ。だからこそ、

① 心身の健康の維持・増進

② 自由時間に何をするか。

ということがポイントとなる。

 

自分のキャリアや知識、技能で何か人の役に立つこと

があれば、それを生かすことが生きがいとなり、それが心身の健康をもたらすと考える。

そして嬉しいことに、第二の人生では、収入面にとらわれずに生きがいを求めることができるのだ。

というのも、第一の人生では、やりたいことがあっても、子どもの教育や一家の生計を支える責任があったから、収入に結びつかないこと、割の悪い仕事はできなかったはずである。

これからは、それがある程度できるのである。

現状では、おそらく日本のサラリーマンの大多数が、第二の人生では収入が半減しても十分生活できるし、だからこそ自分の好きなことをやるべきだと、いちおういえそうである。

もちろん、その大前提として心身が健康でなければならないだろう。しかし、この点は、ある程度楽観視してもいいと考えている。

というのも、それだけ心にゆとりがあり、自分の好きなことをやって、人の役に立っているという実感=心の充実感があれば、心身の健康は確保できる、と考えるからである。

そのうえに「よい仲間」がいたら、もういうことはない。

価値ある目標、生きがいがあって、人の役に立っているという充実感があり、そのうえよい仲間がいて、対話や心のふれ合いを楽しむことができたら、多少のトラブルは乗り越えることができる。

もし、心因性の病気などを抱えていたとしても、やがて快方に向かうことも考えられるのである。